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淳ちゃん先生のこと の商品レビュー

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2019/05/25
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作家研究書というのを意識して読んだことがなく、渡辺淳一にそのような研究書があると知り興味を持って読み始めた。 著者は、「週刊朝日」で渡辺淳一を担当した編集者。渡辺淳一が人気作家として名を馳せた時期を間近で見てきた人として、当時の回想と著作等からまとめる。ちょっと脱線が多いものの、知らない世界の話は興味深く読んだ。 心に残ったのは、直木賞が欲しかったので、当時生まれた次女に「直」の字を入れたという部分。そんな人間味のある人だったのだなと感慨深い。芥川賞が欲しくて川端康成に手紙を書いた太宰治を思い出した。 本の内容とは関係ないが、2014年に亡くなった後に創設された「渡辺淳一文学賞」の第2回に、平野啓一郎の『マチネの終わりに』が選ばれた。選考委員の高樹のぶ子が、「エンディングの後から、地獄の茨を歩む本当の恋愛が始まる」と評した。そして、著者も「まさに渡辺淳一もそこからの部分を読みたがるはずだ」と書く(p206) うーん。文学とはそういうものだと思いつつ、私は読みたくない。

Posted byブクログ