鐘は歌う の商品レビュー
世界観が独特。3/1くらい読んでやっと、この世界線がわかってくる感じ。 紙の本で読んだので、いやでも残りページ数と展開を照らし合わせてしまいます。ラストは畳み掛けるようなスピード感で。 これ、音楽家の人とか絶対音感の人が読んだらめちゃくちゃ面白いんじゃなかろうか、というぐらい...
世界観が独特。3/1くらい読んでやっと、この世界線がわかってくる感じ。 紙の本で読んだので、いやでも残りページ数と展開を照らし合わせてしまいます。ラストは畳み掛けるようなスピード感で。 これ、音楽家の人とか絶対音感の人が読んだらめちゃくちゃ面白いんじゃなかろうか、というぐらい専門用語(?)が出てきます。 音の表情とか、和音の表情を細かく書いてくれていますが、音楽には疎いもんで、どんな音なのかさっぱりわからないのが残念でなりません。 リューシャンみたいだったら、この物語も耳で読める(?)かも???
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図書館で。 面白くないわけでは無いのだけれども…という感じ。 導入部分が長い。記憶が奪われる人が記憶というものを知らずに語っている世界なので、読んでいて「?」と思う事が多いし、世界観に入っていくまでに時間がかかる。特に石だかレディを探す辺りで「なんでコイツは故郷を離れて母の意思で...
図書館で。 面白くないわけでは無いのだけれども…という感じ。 導入部分が長い。記憶が奪われる人が記憶というものを知らずに語っている世界なので、読んでいて「?」と思う事が多いし、世界観に入っていくまでに時間がかかる。特に石だかレディを探す辺りで「なんでコイツは故郷を離れて母の意思でやってきた町でこんなことしてんだろ?」と理解に苦しむというか。 その割に話が動き出すとなんでこんな急展開なの?という感じで話が動くし。いきなりBL展開になるし。 という訳でちょっと付いていけない部分が多かったですが、面白かったです。妹ちゃんが一番かっこよかった気がする。
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これで完結したように思えない。これから先が本番のような気がする。天与の才に恵まれたリューシャンと努力家のソーニャ。ソーニャの哀れさが際立つ。文字を奪われた人達。彼らに恋はできるのだろうか。サイモンとリューシャンはパクトのメンバーと再会できるのだろうか。それにしても、最近の東京創元...
これで完結したように思えない。これから先が本番のような気がする。天与の才に恵まれたリューシャンと努力家のソーニャ。ソーニャの哀れさが際立つ。文字を奪われた人達。彼らに恋はできるのだろうか。サイモンとリューシャンはパクトのメンバーと再会できるのだろうか。それにしても、最近の東京創元社はファンタジーに力を入れてるな。オーストラリアやニュージーランド出身の作家の活躍も目立つ。
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記憶を無くした世界に響く鐘の音。 それは世界の秘密を閉ざす魔の旋律... 装丁に惹かれコレクションとして購入。 これが幻想文学。 ファンタジー とでは表しきれない、 淡い言葉のベールで包み込まれるような どこか不思議なジャンル。 小川洋子さんの 猫を抱いて像と歩く と似た雰囲気...
記憶を無くした世界に響く鐘の音。 それは世界の秘密を閉ざす魔の旋律... 装丁に惹かれコレクションとして購入。 これが幻想文学。 ファンタジー とでは表しきれない、 淡い言葉のベールで包み込まれるような どこか不思議なジャンル。 小川洋子さんの 猫を抱いて像と歩く と似た雰囲気。 終始ふわふわふわ... きちんと理解出来ていなくても読み進めてしまうのは、 道筋の分からない地下トンネルを、 僅かな音を頼りに突き進んでいくのと似た感覚だろうか。 読みかけの本だからという使命感ではなく、 本の中になにか大切な忘れ物があるような... 上手に言い表せられないが、そんな気持ちにさせられる。 ストーリーの着眼点も鋭く、 冒険、ミステリー、恋、友情と内容もぎっしり面白いので、 大衆向けにデフォルメし、 映画やアニメに落とし込めば、きっとうけるだろう。 記憶を無くして作った平和な世界にも、 やはり搾取する者とされる者が存在する。 時代や手法が変わっても、変わらないこの縮図を通して、 あなたならどんな平和を作るかと問われている気がした。 400というページの中で、 記憶の微睡みに浸る、そんな不思議な体験をした一冊。 時間に余裕があるときに、ぜひ。
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音楽理論を学んだことがほんの少し役に立つくらい、超難解。 音や符が頭蓋骨で反響してどうも落ち着かない。 いつのまにか知らない間に実効支配され記憶すら留めて置けない。 ディストピアというよりも現実味のある怖さがある。
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ミステリのようなファンタジーのような感じがした。文字を持たなくなった遠い未来。それはまだ文字を持っていなかった遠い過去を思わせる。音楽と記憶の結びつきの強さを思う。
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これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。 著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。 言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。 この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくも...
これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。 著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。 言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。 この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。 でもきっと二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。 しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。 万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。 君にこれを理解できるか?と問われているような。 一度読んで終わりではなく、きっと何年か経ってまた読むとまた違う理解が生まれるのかもしれない。 わかりやすい物語ばかりが持て囃される昨今で、こういう毛色の物語があるってことに救われた気もする。 果たして、自分は、この物語に受け入れられたのかしら。
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- ネタバレ
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190117*読了 文字がなくなった世界。人々はカリヨンの音色に支配され、メロディで会話する時代。 文字がなくなると記録ができなくなり、人々は記憶が長く持たなくなってしまう。そして気づけば記憶不能者、痙攣病に…。恐ろしすぎるだろ!! なぜそんな世界になったのか、という部分が伝えられずに物語が終わってしまうので、そこはもうファンタジーととらえて納得するしかない。 よくも悪くもふわっとしているところが、この小説の特徴です。細部が見えづらいというか。 主人公のサイモンの一人称だからこそ、サイモンが見ている世界しかわからないというのもありますね。 普段、幻想的な小説はあまり読まないので(ハリーポッター以来かな)、こういう本もたまに読むと楽しいなと思います。 この本は、たまたま図書館の新刊コーナーで気になって手に取りました。こういう本との偶然の出合いが好き。
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ユニークなダークファンタジー。 重要なモチーフは『音』と『記憶』。ストーリーの展開は王道で、老若男女が楽しめると思う。 『訳者あとがき』によると、著者は既に詩の著作があるが、長編のフィクションとしては本書が初とのこと。詩集も読んでみたい。
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