はんぷくするもの の商品レビュー
不安定な精神状態を自覚している。が、本当の意味では理解できない毅に最近の自分がちょっと重なりぞっとしました。
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第55回文藝賞受賞作品。 120ページに満たない作品だが、そのページ数に反して重く陰鬱な作品だった。 舞台は岩手県沿岸の地・赤街のタタミ十畳ほどの仮設商店。 その場所で母と二人で暮らす30代独身の毅が主人公。 毅の唯一の友人は万引きした商品を持参してやって来る武田。 殆ど客も...
第55回文藝賞受賞作品。 120ページに満たない作品だが、そのページ数に反して重く陰鬱な作品だった。 舞台は岩手県沿岸の地・赤街のタタミ十畳ほどの仮設商店。 その場所で母と二人で暮らす30代独身の毅が主人公。 毅の唯一の友人は万引きした商品を持参してやって来る武田。 殆ど客も来ない店だが時折高齢の風峰さんが買い物を楽しみに訪れる為に店を畳む事も出来ない。 又いつまで経っても3413円のツケを返さず、のらりくらりする男、古木との攻防戦も延々と繰り広げられる。 被災後の倦怠感や惰性で日々を過ごす者達の姿に胸が苦しくなった。
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津波で商店兼生家を流され、プレハブの仮設店舗で母親と商売を始めた三十過ぎの毅。一日数人の客しか来ず赤字経営のそんな店を贔屓にしてやって来る老婆。返す返すと何度約束しても貸した金を返さない男。被災後のそんな索漠とした日常を描いた作品。面白くはないが、心の琴線に触れるなにかがある。
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ストーリーよりも登場人物たちの言葉や考えに惹きこまれ、時に共感できるそんな小説だなぁと。 主人公の考え方や行動も個人的に理解できる部分があり、もう一度読み返したいと思う作品だった。 この小説を読んで人それぞれ感じ方は異なるだろうなと、なんとなく思う。
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図書館の新刊コーナーで目にとまり,通勤読書の気分転換にてにとった. 他人それも個性的なひとから人間の本質のようなものがにじみ出してくるのを垣間見るというか,小学校のころ友達のうちにあがってうちとの違いに居心地の悪さと好奇心がないまぜになった感覚が蘇ってくるというか. 小説とし...
図書館の新刊コーナーで目にとまり,通勤読書の気分転換にてにとった. 他人それも個性的なひとから人間の本質のようなものがにじみ出してくるのを垣間見るというか,小学校のころ友達のうちにあがってうちとの違いに居心地の悪さと好奇心がないまぜになった感覚が蘇ってくるというか. 小説としての好き嫌いはともかく,こういう世界,自分には到底提示できないなぁ.
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