教養としてのワインの世界史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
抽象的になりがちな、世界システム論をベースとしたマクロな歴史社会学に関し、眼前の目立つ変化を何でも「グローバリゼーション」で解釈して思考停止に陥らないようにするために、ワインという具体的なモノを通して考えようという意図で書かれた意欲的な本。いろいろな有名ワインのうんちくを語れたら良いなというモチベーションで読むのでしたらおススメしませんが、ホント、すごく面白かったです♪ 「旧世界」と「新世界」の話や、豊かさへのあこがれが陳腐化される事に伴う泡の出る不良品を楽しむという新しい嗜好の創出。フォーディズム的発展によるワインの生産量増加とそれに伴うワインの情報化。「パーカー」と「テロワール」によるイデオロギー的な対立の構図などなど、ワインの歴史を学びながらグローバリゼーションについても理解を深める事が出来ました☆ また、なにげに僕が一番面白かったのは、第十講で書かれていた、「世の中のワイン好きは、ワインそのものを愛する本物の愛好家とワインをファッションとして消費しているだけのスノップといった安直な批判的図式には収まらないんだよ」という話。ワインの抜栓後1日2日の味の差異を、「劣化というより変化と言った方が良いよ」「線香花火の見どころって、いくつかの表情を見せたのちに消えていく変化に宿る楽しみにあるよね」みたいな話もすごく良かったな~♪ 別に僕はMax3000円台のワインしか飲んだ事無いですし、500円とかで買えるワインもモノによっては普通に美味しかったりします(笑)。でも、高ければ全て良いかと言われるとそうではないですが、その場の雰囲気やワイン通の解説に踊らされている可能性も否定は出来ませんが、それなりに適正な価格の良いワインは感動するくらい美味しいと思える舌はもっているつもりです^^;。別にソムリエとかになる気は無いですが、知らない誰かの決めた評価基準が高いから美味しいとかじゃなく、何で美味しいのかを自分なりの尺度で感じれたら嬉しいな☆
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ワインの勉強というよりかは、ワインをテーマにグローバリズムを論じている。 アカデミックな内容でした。
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グローバリズム、テロワールなどワインとは無関係そうな単語で、ワインの歴史を社会学者が説明してくれる。
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