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実務目線からみた事業承継の実務 三訂版 の商品レビュー

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2020/06/02

Q&A方式による読み切り型で事業承継に係る税務を解説。筆者グループは濱田氏、岡野氏といった大阪勉強会メンバーだ。事業承継では民法の総続編、相続税、会社法(種類株式)、M&A、自社株評価、事業承継税制などが問題となるが、これらが端的に解説されており知識の整理ができた。本書を読むと事...

Q&A方式による読み切り型で事業承継に係る税務を解説。筆者グループは濱田氏、岡野氏といった大阪勉強会メンバーだ。事業承継では民法の総続編、相続税、会社法(種類株式)、M&A、自社株評価、事業承継税制などが問題となるが、これらが端的に解説されており知識の整理ができた。本書を読むと事業承継に係る税務は非常に幅広く総合的な知識が要求される実務であることがよくわかる。最新の税務事例も取り上げられており、裁判中の係争事件についてその問題点を指摘する当たりはさすが大阪勉強会メンバーらしい内容だ。 P179 3今後の実務の対応 今後の実務への影響を考えてみます。相続税の節税のために、相続直前に支配株主を外すためにペーパーカンパニーを設立して配当還元方式で譲渡するという手法が一般的に認められるとは考えられません。相続税評価については、財産評価通達の改正は予定されておらず、今後、同様の事案については総則6項で対応するようです。 所得税の取扱いについては通達改正が予想されるところです。 今回の判決については、いずれも通達に規定がないことをもって国側の処分が否定されました。しかし、法人税基本通達9-1-14にはそもそも判定時期の読み替え規定はありません。また、所得税基本通達59-3(同族会社等に対する低額譲渡)も同族会社しか規定されていません。 通達は解釈の一部を示したものに過ぎません。特に今回の事例のような相続直前の節税対策について通達に文言がないから許されるという判断には疑問が残ります。

Posted byブクログ