うつくしい列島 の商品レビュー
文化的な旅行記に比べて地理的な側面が強い。自分が訪れたところのあるところは、やはり情景を思い浮かべられるので、読みやすい。 日本には(にも)良い所はたくさんあるなぁ。 早く元気になって歩きまわりたい。 2022.8.9
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コロナ禍の今、旅行になかなか行けないので、名所を旅する気分で楽しく読んだ。日本には、こんなにも魅力的な場所があるのだと改めて感じ、地元でも訪れたことがなく本書で初めてその魅力を知った土地も多かった。訪れてみたい場所がまた増えたので、数年後の楽しみとしたい。
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日本列島の構造、地理、地質、環境、科学、動植物、歴史、文化、宗教、暮らし、習慣等々について、一貫して筆者の個人的な旅の経験を通じて語っている点が秀逸。 自分も訪れたことがある場所は共感しながら新たに知ったことが多数あり、訪れたことのない場所は擬似体験しながら新しい知見となった。 ...
日本列島の構造、地理、地質、環境、科学、動植物、歴史、文化、宗教、暮らし、習慣等々について、一貫して筆者の個人的な旅の経験を通じて語っている点が秀逸。 自分も訪れたことがある場所は共感しながら新たに知ったことが多数あり、訪れたことのない場所は擬似体験しながら新しい知見となった。 海、山、川を問わず自然と接する行動力と観察力は尊敬と憧憬の対象となった。
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島旅、憧れるなぁ。鹿児島・沖縄の島々を巡ったり、南鳥島へ渡ったり。著作のイメージもあって、池澤さんは山より海のひとという感じがする。親しんで心を許している感じ。そのせいかどうか、ブナ林など歩いているのを読むと、めずらしいものを見る少年のように好奇心をふくらませて向かっていく姿が脳...
島旅、憧れるなぁ。鹿児島・沖縄の島々を巡ったり、南鳥島へ渡ったり。著作のイメージもあって、池澤さんは山より海のひとという感じがする。親しんで心を許している感じ。そのせいかどうか、ブナ林など歩いているのを読むと、めずらしいものを見る少年のように好奇心をふくらませて向かっていく姿が脳裏に浮かぶ。いや、かってなイメージなんだけど。 そんなこんなでともにあちこちを歩いた気分になって、とても楽しく、あるいは興味深く読んだ。マングローブや湿原の章もよかったな。 また、たどり着くのが難しいような場所を「秘境」と呼んでロマンをかきたてることがあるが、その言葉を「使いたくない」と日高山脈の章で池澤さんは書いている。 「そうではなくて、日高山脈は今も人間と縁の薄い領域なのだ。」 なるほどなぁ、と思う。たしかに「秘境」という言葉には、人が行くのが難しい、頑張ってたどり着ければ特別な経験が得られる、というような「人間」ありきの意味合いが含まれているように感じられる。そこへ向かうことやその言葉が悪いわけではなくて。 宿なんかがあればその言葉が似あう場所といえるかもしれない。そうでない場所がすなわち「人間と縁の薄い領域」なんだろう。大自然とどう向き合うか、自分なりの態度を決めているところが清々しい。
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池澤夏樹氏(1945年~)は、芥川賞(1988年)、谷崎潤一郎賞(1993年)、司馬遼太郎賞(2003年)など数々の文学賞を受賞している現代日本を代表する小説家・詩人のひとり。 本書は、月刊誌「ナショナル・ジオグラフィック」に「日本うるわし列島」のタイトルで、2010~11年に連...
池澤夏樹氏(1945年~)は、芥川賞(1988年)、谷崎潤一郎賞(1993年)、司馬遼太郎賞(2003年)など数々の文学賞を受賞している現代日本を代表する小説家・詩人のひとり。 本書は、月刊誌「ナショナル・ジオグラフィック」に「日本うるわし列島」のタイトルで、2010~11年に連載された旅エッセイ24篇と、JTB日本交通公社の雑誌「旅」に「風景の彼方へ」のタイトルで、1989~1990年に連載された旅エッセイ12篇をまとめたもの。後者12篇は『南鳥島特別航路』のタイトルで単行本・文庫で刊行され(のち絶版)、また、本書は、2015年に単行本で刊行、2018年に文庫化されたものである。 本書を開くとまず目に入るのは、日本列島の周辺地図を、一般的な北を上にした向きから時計回りに180度+45度回転させて、中国大陸が下に、日本列島が上向きに弓なりになった地図なのだが、これを見ただけで、日本列島に対する認識がガラリと変わる(というか、再認識する)。左から、サハリン、北海道、本州、九州、奄美諸島、沖縄、八重山諸島、台湾が、中国大陸の外側に、間違いなくひとつの列の島としてネックレスのように連なり、そのほぼ中央部から太平洋に向けて、伊豆諸島、小笠原諸島が点々と連なる。また、中国大陸から飛び出た朝鮮半島は、対馬を通して、日本列島に繋がっている。この事実は、通常の地図にも全く同様に描かれていることなのだが、どういうわけか、そのような感覚を持ちにくい。(慣れというのは、恐ろしいものだ。事実に対する認識を鈍くする。) そして、そのように認識を新たにした日本列島について、池澤氏のエッセイが次々と続く。 池澤氏が旅した場所は、富士、琵琶湖、知床半島、桜島、大雪山、小笠原諸島、白馬連峰、慶良間諸島、下北半島、瀬戸内海、吉野川、三陸海岸、尾瀬、水俣湾、奄美諸島、屋久島、奥只見、白神山地、南鳥島、内間木洞(鍾乳洞)、サハリン、雨竜沼(湿原)、対馬。。。と、日本列島の隅々に及び、かつ、池澤氏の鋭くもしなやかな感性と卓越した筆致によって、その列島が広く、峻険な山を有し、複雑な海岸線を持ち、陸水に恵まれ、多様な植生を持ち、豊穣な海に囲まれ、それ故に、いかに多様で、いかに美しく、いかに麗しいかを改めて知らしめられるのである。 そして、同時に、日本という国の国境が、文化・言語を共有する日本民族が住む範囲としておおむね現在のように線引きされてはいるものの(国境問題のなっている島々は別として)、それが、間違いなく、北東は千島列島に、北はサハリンに、北西は朝鮮半島に、南西は台湾に、南は北マリアナ諸島(グアム)に地理的に繋がった、地球の一部であることを感じさせてくれるのである。 日本列島の多様な自然の魅力が存分に味わえる、珠玉のエッセイ集である。 (2019年3月了)
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第一部 うつくしい列島(24ヶ所) 第二部 南鳥島特別航路(12ヶ所) 旅する池澤さんと案内人さん、あとは海と空と大地から成る自然のみ。人の手で作られていない自然はきっと美しい。ひとつひとつ一緒に旅をさせて頂いた、ありがとうございます。いつかこの目で見てこの耳で聞いてこの肌...
第一部 うつくしい列島(24ヶ所) 第二部 南鳥島特別航路(12ヶ所) 旅する池澤さんと案内人さん、あとは海と空と大地から成る自然のみ。人の手で作られていない自然はきっと美しい。ひとつひとつ一緒に旅をさせて頂いた、ありがとうございます。いつかこの目で見てこの耳で聞いてこの肌で感じてみたい!!
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