傍らにいた人 の商品レビュー
『本の音』『音の糸』とはまた違った角度からの本へのアプローチ。前半は物語の中の片隅にいた人物に焦点を当てているが、後半は文章、作品の空気感に視点が移り、「『話』らしい話のない小説」論になっている。参照している書籍が70-80年代の全集が多く、著者の学生時代の読書遍歴の一端を覗いた...
『本の音』『音の糸』とはまた違った角度からの本へのアプローチ。前半は物語の中の片隅にいた人物に焦点を当てているが、後半は文章、作品の空気感に視点が移り、「『話』らしい話のない小説」論になっている。参照している書籍が70-80年代の全集が多く、著者の学生時代の読書遍歴の一端を覗いた気がする。紹介されている作品のうち途中気になって読んだのは芥川龍之介と寺田寅彦。特に芥川は面白くて、今更ながら芥川沼に落ちそう。他これから読みたいと思ったのは川端康成(『骨拾ひ』『日向』『合掌』『心中』)、瀧田孝作(『父』)、正宗白鳥(『リー兄さん』)。 装丁が素敵だと思ったら間村俊一だった。
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不思議な感覚。 本を読んでいるのに、耳を澄ましているのだから。 現実逃避のときにも、心の豊かさに甘んじるときも その繋がりにその真情にその存在に。
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ここまで小説を味わうとは…というのが正直な感想。 行間も、余白も、文字の一文字一文字までも、読み込む。 その深さにため息がこぼれる。
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こんな風に細部にまで気がついて読めたらよいのですが、力が及ばないのでハッとするばかり。 梶井基次郎の「闇の絵巻」が本当に好きなので、北條民雄から川端康成、続く梶井基次郎も「闇の絵巻」から「檸檬」への流れはとても心地よいものでした。 書評集かと思ったのですが、エッセイでしたね。
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