わたしの信仰 の商品レビュー
メルケル元首相のスピーチ集。牧師の娘であるメルケル氏がキリスト者として国政に向き合っていることを述べていて、実際そうだったのだろうと思う。自分ちはバリバリ仏教なのでキリスト者のことが本当に良く分かるわけではないけれど、その姿勢に心を動かされたのはシリア難民の受け入れを行った時だっ...
メルケル元首相のスピーチ集。牧師の娘であるメルケル氏がキリスト者として国政に向き合っていることを述べていて、実際そうだったのだろうと思う。自分ちはバリバリ仏教なのでキリスト者のことが本当に良く分かるわけではないけれど、その姿勢に心を動かされたのはシリア難民の受け入れを行った時だった。 心に残ったのは、社会的弱者に対しては金銭的な補助を行うだけでなく、その人達が心の充足を得られ社会活動がスムーズになるよう国が図らねばならないと考えていることや、自由とは他者との共生に基づく責任ある自由と考えていることでした。
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キリスト教の...(聖書の)奥深さを改めて感じた。 訳者あとがきの中でヨーロッパの社会と文化の根底にキリスト教がある...とのことが書かれていたが 一国の首相そしてヨーロッパ諸国への影響力... 何だろう... メルケルはもちろんすごいと思うけれど...というかすごくて 聖書と...
キリスト教の...(聖書の)奥深さを改めて感じた。 訳者あとがきの中でヨーロッパの社会と文化の根底にキリスト教がある...とのことが書かれていたが 一国の首相そしてヨーロッパ諸国への影響力... 何だろう... メルケルはもちろんすごいと思うけれど...というかすごくて 聖書というかキリスト教というか... (よくわかっていない...- -;; ) その何世紀も前に書かれた聖書のその自らの解釈を通して現代の政治運営や判断に生かされているという事も凄いというか奥深いというか... そしてメルケルのスピーチに引用された聖書とその解釈も凄いというか.... やっぱり聖書は普遍的なもので... その解釈にも幅があって、そして文中からしばしば感じ取れた(勝手に感じてしまった..) キリスト教的 道徳観とか良心とか...心の持ちようみたいなもの...て...改めて何なんだろう...なんて思ってしまった。 信仰...キリスト教...聖書の解釈...なんかちょっと深みにハマりそう...キリスト教って何??
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物理学者でもあるこの方が、家庭の支援や社会的弱者への手の差し伸べ方、経済の在り方などについて、こんなにも宗教に依拠した考え方をするとは、驚きだった。キリスト者であり、神との関係において、神の被造物としての人間のあり方を考える、こうした視点は日本人には中々理解が難しいのではないかと...
物理学者でもあるこの方が、家庭の支援や社会的弱者への手の差し伸べ方、経済の在り方などについて、こんなにも宗教に依拠した考え方をするとは、驚きだった。キリスト者であり、神との関係において、神の被造物としての人間のあり方を考える、こうした視点は日本人には中々理解が難しいのではないかと思う。 コロナ禍における演説で、「啓蒙の力を信じてる」という力のこもった言葉があったと聞いて、どういう背景から出たのか知りたくて読んでみた。宗教的な知識が乏しいので共感は難しいが、もっと著者を読んでみたいと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
クリスチャンとしての演説集。読むきっかけは、コロナの際に行った素晴らしい演説。この本では、本人の信仰をベースとした深い思索がかいま見れます。 「コール首相のお手伝いさん」と揶揄され、前任のシュレーダー首相からも「彼女には無理だ」と嘲笑されたそうですが、いまや堂々たる政治家。 前任のシュレーダー首相は、財政再建のため社会保障費の削減を断行し、そのため政界から放逐。後任のメルケル氏は、「政敵ではあるが、個人的に尊敬するシュレーダー氏の政策を支持する」と継承し、コロナ前までは、先進国で唯一財政が安定していた国となりました。毎日、コロナと米中対決ばかりの報道ばかりですが、欧州は幸福感を感じる国民が多いとのことで、日本でももう少し欧州事情を報道してはと思います。 隣の芝生は青く見えるのでしょうが、ドイツでは優れたトップが続いているように思えます。読後の感想を考えていたのですが、以下の「訳者あとがき」がそのものズバリ! 政治では、どの国も常に問題山積とは思いますが、まさに「彼我の違いを感じずにはいられない」内容でした。 <以下、「訳者あとがき」から> キリスト教的な人間観に基づき、あらゆる人(ドイツ人だけではなく)の尊厳を守ろうとし、「被造物」に対する責任を全うしようとする姿勢。自分たちの世代だけでなく、次世代の繁栄にも配慮した資源の使い方や環境保存を提言し、グローバル化、デジタル化の流れのなかで取り残されていく人がいないように気を配り、人口変動と高齢化の波にも対処すべく努力を続ける誠実さ。こうした多くの政治的課題は日本にも当てはまるところだが、ドイツでは社会的市場経済を重視して共生と福祉をいきわたらせるようとしており、彼我の違いを感じずにはいられない。
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世俗権力を司る政治家として政教分離の重要性を理解しつつ、ヨーロッパ社会におけるキリスト教の重要性が失われることはないと強調している。政治は社会に共有されている価値観の上で行われて初めて機能するものであり、政治が自らその価値観を作り出すことはできないということ。ヨーロッパにおいてそ...
世俗権力を司る政治家として政教分離の重要性を理解しつつ、ヨーロッパ社会におけるキリスト教の重要性が失われることはないと強調している。政治は社会に共有されている価値観の上で行われて初めて機能するものであり、政治が自らその価値観を作り出すことはできないということ。ヨーロッパにおいてその価値観とはキリスト教によるものであること。ドイツやEUの憲法にも、キリスト教の価値観が入っていること。牧師の娘というだけあって神学的な深いことも理解しているようで、それを憲法や具体的な政治的課題(難民、経済、環境、教育、デジタル化など)と関連させて議論できるのは凄いと思った。日本に生きるクリスチャンとして、こういう人が首相に就き、教会も上記のような政治的課題に積極的に関わっている(例えばドイツの多くの教会はCO2削減目標を掲げているらしい)ドイツを羨ましいと思う。ただ、それはそれで責任や批判もあって大変だろうし、自分は自分の置かれた場所で、信仰者として市民としてより良く生きる努力をするしかないと思う。ヨーロッパの政治や法律には興味が湧いた。
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ゼミの内容を深堀りするために買った本。自伝というわけではなく、これまでメルケルを象徴するような演説がまとめられている。単純比較はできないが、やっぱり日本の政治家と演説のクオリティが全然違う。ひとつひとつの言葉に重みを感じるし、本心からドイツをよくしたいという心意気が伝わってくる。...
ゼミの内容を深堀りするために買った本。自伝というわけではなく、これまでメルケルを象徴するような演説がまとめられている。単純比較はできないが、やっぱり日本の政治家と演説のクオリティが全然違う。ひとつひとつの言葉に重みを感じるし、本心からドイツをよくしたいという心意気が伝わってくる。来年メルケルは首相の座を降りることになっているが、彼女の後継者は誰になるのか気になる。
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これが現役ドイツ首相!トランプ米大統領とは全く真逆の意味で驚き。キリスト教の集会でこれほど度重なる説教をしてきたということにまずは驚く。これほど謙遜、信仰的な政治家がいるということに励まされる。有名人とは思えないような自然体でごく身近な人が語るような語り口で、聖書を語り、人間の尊...
これが現役ドイツ首相!トランプ米大統領とは全く真逆の意味で驚き。キリスト教の集会でこれほど度重なる説教をしてきたということにまずは驚く。これほど謙遜、信仰的な政治家がいるということに励まされる。有名人とは思えないような自然体でごく身近な人が語るような語り口で、聖書を語り、人間の尊厳を訴える。福音書の5000人の奇跡を引用する修道士の言葉に「現代に生きる人間がこれほど単純に聖書の出来事が起こったと信じている様子は私を驚かせた。彼の言葉は日々の生活の中でこの人の仕事に大きな力を与えている信仰と関わっているに相違ない」とは何と、謙遜に満ちた自然な言葉だろう!政治家としては「信仰が私たちに責任を引き受ける力を与えていることを意味する」との言葉も、寛容な彼女の姿勢を示している。キリスト教の存在感が薄くなる中で、彼女は「宗教の授業はむしろ重要性を増している」というのも、ゆるぎない信仰の確信に満ちた言葉だと思う。そして決定的な言葉!(P238)「信仰の中身をよく知ることは、自分の人生に対して成熟した決断をするのに役立つ。それに加えて自覚を持って他の宗教を分析し、理解し尊敬することを学ぶのも容易になる。宗教教育が良いものになればなるほど、信仰共同体のあいだの対話も信頼できるものになる」キリスト教を信仰するこのような政治家がいることを誇りに思えてくる。
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ヨーロッパの社会と文化が、キリスト教的価値観に基づいていること、メルケルさん自身が政治家として、キリスト教的立場に基づいて政権運営していたことがよく分かった。人間としての確固たる信念や原理原則はどこから来るのか、この本に収録された数々のスピーチから読みとれる。メルケル首相退任後の...
ヨーロッパの社会と文化が、キリスト教的価値観に基づいていること、メルケルさん自身が政治家として、キリスト教的立場に基づいて政権運営していたことがよく分かった。人間としての確固たる信念や原理原則はどこから来るのか、この本に収録された数々のスピーチから読みとれる。メルケル首相退任後のドイツ、そしてヨーロッパは果たしてどうなっていくのだろうか。
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