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寺社が語る秦氏の正体 の商品レビュー

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2018/12/31

日本史に疎いもののタイトルに惹かれ読んでみました。全国どこにでもある八幡神社や稲荷神社は日頃馴染み深いものの、どうしてこのように数が多いのか深く考えていなかったのですが、これを読んで日本列島に移り住んだ渡来人の存在が深く関わっていることがわかりました。この渡来人系の古代豪族では最...

日本史に疎いもののタイトルに惹かれ読んでみました。全国どこにでもある八幡神社や稲荷神社は日頃馴染み深いものの、どうしてこのように数が多いのか深く考えていなかったのですが、これを読んで日本列島に移り住んだ渡来人の存在が深く関わっていることがわかりました。この渡来人系の古代豪族では最大のネットワークを誇ったという秦氏、この名字は秦の始皇帝を彷彿させるのですが、その祖先とつながりがあることはあながち嘘とも言えないようです。日本に養蚕や機織などの技術を普及させ、能に代表される日本の芸能の礎を築いたという秦氏一族でしたが、秦河勝という人物を除き、聖徳太子の時代以降、日本史上に名を残すことはありませんでした。何故、彼らは歴史の表舞台から姿を消さなければならなかったのか。 日本書記に書かれている蘇我入鹿暗殺事件の真相は別にあるとの主張が、筆者が推理する謎解きです。日本史の通説を覆すような有名な歴史上の人物の正体が明かされていたりして驚きです。 大陸から移り住んで、土着の民族(日本人?)に馴染もうと努力し富を築き、そのため、時の権力者に利用され、その後反勢力側に付いていたため、陰の存在、差別される側で生き延びる術を選んだ彼ら。秦河勝の末裔という世阿弥は「先祖は鬼である」祟る鬼と言ったとあります。鬼を退治するためには鬼と同等の力を持つ存在として、姿を変え庶民から支持され祀られていったのです。こうしてみると、一体日本人って何?と言いたくなります。

Posted byブクログ