バーチャル人狼ゲーム 今夜僕は君を吊る の商品レビュー
高校生たちによるバーチャル人狼ゲームが現実と同期したお話 学園祭の出し物としてクラスでバーチャル演劇をしようとログインしたら、狼に襲われて村に逃げ込むシチュエーションと、ログアウトしたら監禁されているという現実世界 そして、バーチャルでの死は現実での死と連動していて…… 土橋真...
高校生たちによるバーチャル人狼ゲームが現実と同期したお話 学園祭の出し物としてクラスでバーチャル演劇をしようとログインしたら、狼に襲われて村に逃げ込むシチュエーションと、ログアウトしたら監禁されているという現実世界 そして、バーチャルでの死は現実での死と連動していて…… 土橋真二郎が人狼ゲームをモチーフにするのは殺戮の館以来2作目か 前回は吊り方とか襲う対象が把握できているかどうかが違ってたけど、今回は違う点とルールがもっと増えた 狩人が誰か最初から判明している 狩人は護衛対象の屋根に潜んで待つ 狼が狩人と出会ったとき引き返すこともできる 狼が狩人を襲う決断をした場合、結果はランダム 占い師は隠し通路から行ける教会で占うため、占う場合の居場所は確定 人狼の人数がわからない 裏切り者の存在が不明 いるとは言われていないが、いないとも言われていない ゲーム内での死者は墓地で役職が判明する 共有者はお互いの役職がわかる、そして他の役職と兼任できる 朝に最初に開放される(ログアウトできる)最初の一人は投票制 ログアウトしないままでいると火炙りにされる 独自のルールはこんなもんかな ルールだけから想像するに、狩人と人狼の対決はロシアンルーレット的な?とか 人狼側と村人側の共有者?などと想像したけどね そんなわざとらしさが見え隠れするんだよなぁ 全てのルールをストーリーに活かせていない気もするけど、所詮はゲームのルールだし実際のゲームでも展開によっては意味のなくなってしまうルールもあるしな そして妙なルールが追加されたせいで、セオリーが成り立たない もっとも、セオリーも何パターンもあるのでどれが正しいとも言えないんだけどね だからこそゲーム序盤で占い師を名乗り出た柊木由希はストーリー的に明らかに怪しいでしょうなぁ ただ、占った相手を公表しないというのもこの場合では正解なのか? リアルで死ぬとわかっているんだったらグレランで吊りなんてできないだろうし、村人を増やしても仕方がないというのは理解できる 対抗占い師が出てきたときの対応としても、セオリーでは真だろうが偽だろうが占い師は結局吊られる事が多いけど、この場合はその限りではない ただ、霊媒師替わりの墓地は死ぬことがないので、もし占い師騙りの結果が破綻したら吊り先一択になるんだけどね なんか、その辺の思惑とかも含めるとよく考えられた設定とルールなのかもね そして、高坂直登の最後の選択 結局どっちを吊ったのか、どっちを助けたのかは断定できない 狼という表現だとあきらかにあっちだけど、毒の記述も他にあるからなぁ 役職としての人狼と本性としての人狼、どっちも狼として表現してもおかしくないしね 多分、本当の意味でのゲームの勝者は片桐だけなんだろうなぁ 人狼を模した他のフィクションだと、強制的に咬み先を選ばなければいけなかったりするからね 自らの意思でその強制からの脱却という選択は人として立派だよな ま、自分が同じ立場になったとして選べる気がしないが それにしても、この組織は一体何なんだよ 後の処理が結構雑なんだよなx ま、その辺のツッコミはデスゲーム系のフィクション全般に言えるか ってか、クラスのシチュエーション的に湊かなえの「告白」まんまじゃねーか やはり、土橋の作品はゲームの内容やその心理描写が重要であって、その舞台装置の必然性には眼をつぶるのが吉
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