銀色の青 の商品レビュー
清佐は嫌なのだ。人に見下げられてることが。見下げられてお礼の必要のない人間だと思われることが。同い年なのに対等ではないという関係性が。100円を貸しても感謝されない存在に成り下がることが。 (中略) このままでは未来永劫マイナス100円という重荷を背負ってしまうかもしれない。 ...
清佐は嫌なのだ。人に見下げられてることが。見下げられてお礼の必要のない人間だと思われることが。同い年なのに対等ではないという関係性が。100円を貸しても感謝されない存在に成り下がることが。 (中略) このままでは未来永劫マイナス100円という重荷を背負ってしまうかもしれない。 ————感想———— あーーーおもしろ。アホすぎる小説。 「これ言ったらどう思われるだろう」「こんな顔したらどう思われるだろう」の極み。クラスメイトの弥太郎・詩織・玲子と野球部のエースの一挙手一投足を気にしすぎてしまい、振り回され、自己肯定感が奈落の底まで落ちていく。自分も思春期に、ここまでではないけれど同じようなことを考えたことがあるので懐かしさを感じる部分もあった。簡単には覆せないクラス内の立ち位置や学校でのヒエラルキーはその後の人間形成にも影響すると思うし、中学の時これを読んでいたらどうなっていたのだろうと思う。 そして最後の食堂でのシーンでのまさかの真実も、母とのシーンや清佐と名付けた理由を教えてくれるところはめちゃくちゃ良かった。慈悲。 また哲夫さんの仏教本を読んでからこの小説を読んだので、清佐が雑念だらけであることがおかしくて輪をかけて笑ってしまった。悟りの境地とは真反対。哲夫さんだから書けたのだと思うし、これに似た小説を見たことがない。 よく考えたら漫才でも相席食堂のロケでも、この小説と同じくらいしつこい同じボケしてたな。最高。 —————紹介(公式より)————— 「野球部のエースに、たかが100円返せなんか、おれみたいなやつは言ったらあかんような気がするねん」 貸した「100円」を、自尊心が邪魔して「返せ」と言えない高校2年生の清佐(きよすけ)。そして「100円が返ってこない」ことによって、恋も、友人関係も、壊れはじめ…。リアルな青春小説。 泣けて、驚いて、笑える。 初めての読後感が押し寄せる青春小説。 「衝撃の大どんでん返し」と書店員さんたちが口々にした結末とは―― 文豪作品を愛する稀代の漫才師、初の青春小説。
Posted by
阿呆な思考の連続なのに、広がる悲しみ、寂しさが秀逸。ネチネチとした文章がかなりクセになる。主人公のような学生時代目立たない感じの読者には刺さるだろうなぁ。
Posted by
ストーリーはいいなと思った。 そんなに特別な大事件が起こるわけではないけど(でも思春期の高校生には些細なことも大事件だったりするのですよね)、一つ一つのエピソードが丁寧に描かれていて。 ただ、時々、表現方法(言い回し)が「濃い」ような。それが読み進めるのを邪魔してる時もあって、...
ストーリーはいいなと思った。 そんなに特別な大事件が起こるわけではないけど(でも思春期の高校生には些細なことも大事件だったりするのですよね)、一つ一つのエピソードが丁寧に描かれていて。 ただ、時々、表現方法(言い回し)が「濃い」ような。それが読み進めるのを邪魔してる時もあって、もったいないなと。 でも、何となく、哲夫さんの色がすごく出ていて、それはいいなと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
笑い飯は、「わりと好き」なお笑いコンビです。 「100円を返してもらう」という小さなテーマを柱に進んで行くスケールの小さい(笑)お話。 最後にどんでん返し、そしてほっこり、さらに笑いと、 全体の構成が上手いなと感じました。 違う作品も読んでみようと思います。
Posted by
笑い飯の哲夫さん著 野球部の補欠がエースに100円返してほしくてモヤモヤしたり クラスの女の子との距離感の取り方にモヤモヤしたり 思春期特有の感覚を書ける哲夫さんすごい! 主人公は心の中で色々と考えて考えて相手のことを思って相手のことを優先した発言や行動をする性格でとても優し...
笑い飯の哲夫さん著 野球部の補欠がエースに100円返してほしくてモヤモヤしたり クラスの女の子との距離感の取り方にモヤモヤしたり 思春期特有の感覚を書ける哲夫さんすごい! 主人公は心の中で色々と考えて考えて相手のことを思って相手のことを優先した発言や行動をする性格でとても優しいんだなあと思う反面、いつまでウジウジしてんだ!?とイライラもしてしまった。
Posted by
高校生男子が同じ部活のエースに100円貸したことから始まる、自尊心や優越感など繊細な心情を描いた作品。 よく「100円貸す」ということからここまでの物語を書けるなと思う。 読んでると、笑い飯のネタのように二人が話してるような感じもしてくるけど、主人公はいたって真面目に悩んでる。...
高校生男子が同じ部活のエースに100円貸したことから始まる、自尊心や優越感など繊細な心情を描いた作品。 よく「100円貸す」ということからここまでの物語を書けるなと思う。 読んでると、笑い飯のネタのように二人が話してるような感じもしてくるけど、主人公はいたって真面目に悩んでる。真面目さとお笑いは紙一重なんだな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
描写表現が巧みで美しく、読んでいて心地よかった。 清佐みたいな子、学校にいるよな〜と思うと同時に、自分の中にも体裁を気にして色々言えない自分、いるよなと共感する部分があった。 そして最後の展開にはびっくり。自分が借りてたんかいっ!笑 半年も悩んで、学校生活も頭の中もこんがらがった清佐。何事も気になることは早めに解決しておいた方がいいんだなとしみじみ思った。 清佐の母ちゃん想いのところは胸にジンときたし(息子の立場で親の離婚に関して感じることが書かれている以上にあったでしょう...)、母から息子へ投げかけられた言葉から母の偉大さを感じた。 思春期で思い悩むことも多い学生に読んでほしい一冊。
Posted by
非常に繊細で神経が細すぎる(とわたしは感じる)主人公が、親友やクラスメイトの女子との関係性に過剰なほど懊悩しながら、同じ部活のエースに貸した100円を返して欲しいと言い出せずに悩み続けるお話。 独特な表現力で、主人公の苦悩が伝わりすぎて辛くなるほど。とはいえ、なんでそんなことする...
非常に繊細で神経が細すぎる(とわたしは感じる)主人公が、親友やクラスメイトの女子との関係性に過剰なほど懊悩しながら、同じ部活のエースに貸した100円を返して欲しいと言い出せずに悩み続けるお話。 独特な表現力で、主人公の苦悩が伝わりすぎて辛くなるほど。とはいえ、なんでそんなことするの?とか、なんでそんなことも言えないの?!も多く、それもまた青春なのでしょうか。 100円にまつわる苦悩という目の付け所や、最後のオチがとても笑い飯っぽかった。
Posted by
読みづらいしつまんなかった…なんの話しを長々読まされてるんだ?しか出てこない。 純文学かぶれっぽい表現がちょこちょこ出てくるんだけど、無理くり捏ね回して作られてるから分かりづらいし読みづらいだけだった。 これは何?実話?
Posted by
100円返してもらえないことで悩みすぎて色々うまくいかなくなる話。 諦めずに読んでよかった。人の日記を読んでる感覚で読みづらい。が、途中から気になって、いやこの子が心配で読むスピードがぐんとあがった。 恥ずかしくてヒリヒリする気持ちを思い出してしまった。と、同時に自分の子供も大...
100円返してもらえないことで悩みすぎて色々うまくいかなくなる話。 諦めずに読んでよかった。人の日記を読んでる感覚で読みづらい。が、途中から気になって、いやこの子が心配で読むスピードがぐんとあがった。 恥ずかしくてヒリヒリする気持ちを思い出してしまった。と、同時に自分の子供も大なり小なりそういう気持ちを体験するかと思うと心配になってしまった。 後半でうるっとした。年取ってよかったと思う。あの頃には戻りたくない。もはやそういう悩み方を思い出せない。
Posted by