カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密 の商品レビュー
この作品はヴェルヌ後期の作品で、ヴェルヌ作品の中でも異色作と言われています。 通の人は高く評価する傾向があるように思います。 私は小学生時代、ヴェルヌの『十五少年漂流記』(金子博訳:旺文社文庫)を読んだことあります。 これは縮約版でしたが、充実した解説が収録されていました...
この作品はヴェルヌ後期の作品で、ヴェルヌ作品の中でも異色作と言われています。 通の人は高く評価する傾向があるように思います。 私は小学生時代、ヴェルヌの『十五少年漂流記』(金子博訳:旺文社文庫)を読んだことあります。 これは縮約版でしたが、充実した解説が収録されていました。 解説者の金子節が独特で面白かった。 曰く、ヴェルヌの文体は難があって本国でもダイジェスト版で読まれることが多い、だから本書も完訳ではなくダイジェスト版を底本とした縮約である、とか。 旺文社文庫は詳しい解説を付けるのを特長としているので本書も解説を充実させた、とか。 この金子博さんの解説はヴェルヌファン必読です。 私はこの解説が強烈に印象に残ったので、ヴェルヌの翻訳と研究といえば金子博だというイメージがありました。 金子博さんのヴェルヌの翻訳は他に旺文社文庫『地底旅行』と集英社ヴェルヌ全集版『アドリア海の復讐』があります。他の訳者さんに比べるとあまり多くない印象です。 検索してもあまり出てきません。一体どんな方だったのでしょうか。 その金子さんの解説の中に「代表作品解題」という項があり、ヴェルヌの他の代表作が紹介されていました。 その中で『カルパチアの城』がべた褒めされており、これは私もいずれは読まなくてはならない、と決意したものです。 その後私は精神を病んで本も読めない状態となり、長い間読書から遠ざかることになる。 人生も終盤にさしかかろうという最近になってようやく本が読めるようになってきました。 そして今回ついに『カルパチアの城』を読むことができ、あの時の決意を果たすことができたのです。 https://sfklubo.net/carpathes/ https://sfkid.seesaa.net/article/480393864.html
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