冷血(上) の商品レビュー
前半の150ページが大変。頑張って読むとその後の展開につながってくる。 最初は未解決の世田谷区の一家の事件のことだと思ったけど、違う内容。 感想は下巻にて
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高村さんの小説結構読んでいるけれど、どれも湿気が強く感じられる。 何故なんだろうか、皮膚感覚の様に纏わりついてくる。 快感でもあり、逃れられない。
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単行本版「冷血」の上巻を読み終えたのが昨年の1月24日だった。昨年は50冊くらいしか本が読めなかったのだが、それを差し引いても「冷血」の存在感は際立っていた。それから一年も経っていないなか、文庫版を読んだらどう感じるのか。まったく想像できないでいた。ただ、おそらく単行本時よりも4...
単行本版「冷血」の上巻を読み終えたのが昨年の1月24日だった。昨年は50冊くらいしか本が読めなかったのだが、それを差し引いても「冷血」の存在感は際立っていた。それから一年も経っていないなか、文庫版を読んだらどう感じるのか。まったく想像できないでいた。ただ、おそらく単行本時よりも4人が殺されたことに憤り、子どもが無惨な姿で発見されたことに強く悲しみとやりきれなさを感じていたとおもう。この理不尽にも余りある理不尽に、わたしは言い表せないほどのつらさに直面した。下巻を読めば、このつらさの行き場が現れるだろうか。
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クリスマスの楽しみを控えた医師の子供でもある13歳の少女と、苛立ちと虚無を抱えて犯罪を繰り返す二人の男の物語が感覚的に語られ、事件発生後はそれを捜査する合田雄一郎の立場から物語が綴られる。二人逮捕まで話はいったが、あと1冊分話は続く。掴みきれない男たちのことと、事件のこと、どう話...
クリスマスの楽しみを控えた医師の子供でもある13歳の少女と、苛立ちと虚無を抱えて犯罪を繰り返す二人の男の物語が感覚的に語られ、事件発生後はそれを捜査する合田雄一郎の立場から物語が綴られる。二人逮捕まで話はいったが、あと1冊分話は続く。掴みきれない男たちのことと、事件のこと、どう話は進んでいくのだろうか。
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細切れの時間で読むには向かない。読むのに時間がかかってしまった。 事件の発生いたるまでの、二人の男の行動と気分が克明に描かれる。 向かっていく方向が分からない。
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第一章を読み終えるのに、毎日義務の様に読んで実に一週間かかった。読んでも、読んでも、ページを捲るのが身毒なって已めて終う。歯科医師一家四人殺害事件。犯人は2人の男。それだけは、嫌でも事前に情報が入る。 高村薫なのだ。始まりは、事件一週間前の被害者の娘の一人称の述懐。そして、2人...
第一章を読み終えるのに、毎日義務の様に読んで実に一週間かかった。読んでも、読んでも、ページを捲るのが身毒なって已めて終う。歯科医師一家四人殺害事件。犯人は2人の男。それだけは、嫌でも事前に情報が入る。 高村薫なのだ。始まりは、事件一週間前の被害者の娘の一人称の述懐。そして、2人の犯人の夫々の述懐と続く。ここまで読んだならば、何が待っているかは容易に想像がつく。一般のミステリーではない。高村薫なのだ。一人称述懐タイプの描写は詳細を極める。被害者の娘、中学一年生の歩(あゆむ)は徒らに純粋で生意気で聡明だ。実際、数学オリンピックをを目指す子供はそうなのかもしれない。犯人たちは、あまりにも短絡的に犯行を繰り返す。次第と運命の日に近づいてゆく。最近のゲーム世代の小説家のように、大量猟奇殺人鬼をキャラとして描いたりはしないのだ。 高村薫の粘菌のような描写が続く。読んでいられない。もう止めろ、と私の中の臆病が叫ぶ。もう辛抱が切れかけていた頃、突如スイッチが切り替わるように第二章「警察」に変わった。 久しぶりの合田雄一郎。私は単行本の「太陽を曳く馬」も読んでいない。「新リア王」から「太陽を曳く馬」に続き合田雄一郎も登場するこれらの文庫本化を飛び越えて、高村薫は何故こちらの文庫本化を急いだのか?本書を読んだところで、雄一郎の捜査のように「答」がひとつ出てくる見通しは何一つ無いが、また何故この物語が2002年に設定されているのかも、何一つ見通しは立たないけれども、ひとつ事実としてあるのは、第一章にきっちり7日掛かった私は、第二章はきっちり1日で済ませたということだ。もちろん、雄一郎の因縁の元妻が2001年の9.11で亡くなっていたことなどを見逃す粗い読書はしなかった。義兄との関係は、進んでいるのか?いないのか?それはわからなかった。 事件は、想定内の経過を経て犯人逮捕に向かう。これでやっと物語の半分。一切見通しは立たない。合田雄一郎シリーズ、いったい何処に向かうのか。 2018年11月12日読了
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事件を起こすまでの道行きを、ここまで丁寧に描いているとは思わなかった。そして、事件の部分はあえて警察への入電という形で描かれるところに痺れてしまった。
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