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贄姫と獣の王(9) の商品レビュー

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2019/03/21

ついに、この『贄姫と獣の王』も、一つ目の大台目前まで来たか しかし、ほとんどのファンは驚いちゃいまい これほど、読み手の心を揺さぶる打撃力がある漫画が、一つ目の大台に到達できないほど、まだ、この世界は冷たくない それにしても、また、友藤先生、成長しているんじゃないだろうか ベース...

ついに、この『贄姫と獣の王』も、一つ目の大台目前まで来たか しかし、ほとんどのファンは驚いちゃいまい これほど、読み手の心を揺さぶる打撃力がある漫画が、一つ目の大台に到達できないほど、まだ、この世界は冷たくない それにしても、また、友藤先生、成長しているんじゃないだろうか ベースである、サリフィとレオンハートの恋路が最も力強さを感じるけど、それを補強する、様々な要素もまた、一撃が重い まず、この(9)の表紙を飾っている、アミトとヨルムンガルドの関係にも、変化が生じている アミトが作ったお守りを、任務から戻ったヨルムンガルドは彼女へ返してしまう 何故、返されたのか、理由が分からず、ヨルムンガルドにしつこい女と思われたくなく、平静を装うとするも、悲しみに暮れてしまう親友の為に、サリフィはいつも通り、お節介を焼く どうして、ヨルムンガルドがアミトへお守りを返してしまったのか、その理由は、あえて伏せるが、それを知った読み手は、彼に対し、不器用な男、無骨な武人、素直じゃない奴、そんな感じの印象を抱き、好感を持つに違いない また、サリフィの、レオンハートの傍にいるに相応しい王妃になるための努力にも、読み手は胸を打たれる 訪れた国が、自分達に隠している陰の部分に気付いてしまったサリフィ タイミングが悪い事に、自国でも問題が起こり、二人は戻らなければならなくなる しかし、サリフィはここに残りたい、とレオンハートへ訴える 今、ここで、悲しんでいる人がいると知っているのに、自分が放棄すれば、自分が目指すべき王妃にはなれない 虐げられている人の為、レオンハートの為、そして、何より、自分の為に、サリフィは決意を翻さない その強さに、レオンハートは折れるしかない。惚れた女の意地っ張りぶりに呆れながらも、彼女を好いて良かった、と思うのだから、相当である、彼も まぁ、聡明なレオンハートも、サリフィがここまでの無茶をし、危機に陥るとは予想できなかっただろうな 彼女の正しき強さが宿る言葉で、囚われていたクリスティーナ王女が、悪に立ち向う勇気を発揮してくれなかったら、どうなっていたのか ともあれ、強さと王としての立ち方を誤った小悪党は討たれ、サリフィは新たな絆を結べたので良かったとしよう けれど、オズマルゴには、今までにない危機と強敵が迫ろうとしていた 数々の反乱軍を一つに束ね、オズマルゴに挑まんとしている組織のトップは、新たな王を自称する その名は、“狼王”フェンリル。一体、何者なのか レオンハートは、このフェンリルと、どう戦うのか そして、サリフィは、この戦いで、どんな役を担うんだろうか この台詞を引用に選んだのは、サリフィとアミトの間にある、種族を越えた友情パワーを感じ取る事が出来たので 元より、自分の気持ちを前面に出す事が得意ではないアミト けれど、サリフィと交流する中で、彼女は少しずつ強くなっていき、良い意味で我儘になれるようになった ヨルムンガルドの気持ちも分かるが、ここまでイイ女になったアミトからの恋慕と覚悟を蔑ろにしちゃ、男が廃るぜ 「・・・ヨルムンガルドさま・・・私は・・・特別な才能も、力も、何も持っていません。だから、私にできる精一杯のつもりで、あのお守りをお渡ししました・・・命をかけて戦うお方に、想いを託しました。それならば、私も・・・これからは、同じ覚悟を持ちます。もっと、強くなります。何が起きても、揺らがないくらい・・・だ・・・だから・・・だから・・・どうか、もう一度・・・・・・あなたのお側に置いてくださいっ・・・」(byアミト)

Posted byブクログ