葉を見て枝を見て の商品レビュー

菊沢喜八郎(著者),巌佐庸

2021/04/27

植物の「葉」を、光合成で得られるエネルギーを収入、
新しく作ったり呼吸したりするのに消費される分を支出と
見て、全体を経済学的に考えるというのがこの本で示されて
いる考え方だろう。それはとても面白いし、緯度に伴う
常緑樹・落葉樹の分布を見事に説明していると思う。

だが全体として研究結果の発表なのか、研究史の記録なのか
どっちつかずで中途半端な印象が拭えなかった。論文では
ないのだから微分も登場する数式をここまで扱う必要は
なかったのではないかとも思った。

巻末の解説を読めば内容はほぼ把握できるかと。