エドゥアール・マネ の商品レビュー
『印象派の誕生』や『マネの絵画』などで、マネと印象派との関わりや、フーコー、バタイユなどが指摘したように、彼が絵画史に起こした変革はある程度知っていたが、本稿はそれらにはなかった視点───複製画によるコラージュとアッサンブラージュ───から、マネの革命性を分析する。導入で「マネ...
『印象派の誕生』や『マネの絵画』などで、マネと印象派との関わりや、フーコー、バタイユなどが指摘したように、彼が絵画史に起こした変革はある程度知っていたが、本稿はそれらにはなかった視点───複製画によるコラージュとアッサンブラージュ───から、マネの革命性を分析する。導入で「マネを中心に据えた西洋絵画史を描くことができる」と言い切るだけのことはあったと思う。それくらいマネは「問題児」だったし、それを書ききった三浦篤氏の筆も良かった。 また、この本を皮切りにベラスケスやティツィアーノ、マティスやピカソなどへも入っていきやすいとも思う。伝統的な絵画を知れば知るほど、そしてそこから逸脱した絵画を知れば知るほど、その転換点であるマネの凄まじさが骨身に染みてくるだろう。
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ラジオで推薦されていたので手に取りました。とても分かりやすいく、深く知ることができた気がします。読んで良かった。平成30年10月19日初版
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正直エドゥアール・マネに対してしは印象派という認識しかなかった。 この本を読むとマネに対する見方が大きく変わった。そういうい意味でいい出会いだった。レアリスムでもなく、印象派でもなく、しかしモダニズムやピカソに影響を与えた画家。副題のまさに「革命」を起こした人。今も多くの画家を目指す人々が知らないままに彼の影響を受けていることが分かりやすい言葉で書かれてある本。
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マネはふしぎ。アンビバレントな要素が複合的に絡み合っています。この本は、そのふしぎさをしっかり分析してくれている本です。革新的な手法をとるマネの作品が、いかに伝統的な芸術作品を下敷きにしているのかなど、豊富な図版で丁寧に解説してくれているのでよくわかりました。 この本のいいところ...
マネはふしぎ。アンビバレントな要素が複合的に絡み合っています。この本は、そのふしぎさをしっかり分析してくれている本です。革新的な手法をとるマネの作品が、いかに伝統的な芸術作品を下敷きにしているのかなど、豊富な図版で丁寧に解説してくれているのでよくわかりました。 この本のいいところは、作品の分析を中心にして論じているところ。マネの人間性とかスキャンダルとかにはほとんど言及していません。すこし毛色はちがいますが、BSマンガ夜話みたいな雰囲気を感じました。【2018年11月25日読了】
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