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30センチの冒険 の商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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2019/02/06

三崎亜記ワールド、久しぶり。この、はじめは距離感があって、じわじわと仲良くなれる感じは相変わらず。久しぶりに色々読みたくなったな。 2018/12/28読了

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2019/02/02

隣の建物が、まるで蜃気楼に霞む最果てにあるように、とても遠くに見える。かと思えば、はるか彼方にある建物が輪郭もくっきりと鮮やかで、異様に近くにも感じる。左右で全く違う度数の眼鏡をかけさせられたようなちぐはぐさ。遠近という概念が破壊された風景。遠近法を無視した無秩序な景色。物語の舞...

隣の建物が、まるで蜃気楼に霞む最果てにあるように、とても遠くに見える。かと思えば、はるか彼方にある建物が輪郭もくっきりと鮮やかで、異様に近くにも感じる。左右で全く違う度数の眼鏡をかけさせられたようなちぐはぐさ。遠近という概念が破壊された風景。遠近法を無視した無秩序な景色。物語の舞台は大地の秩序が破綻した超常なる世界。でありながらそこに暮らす人々の息づかいはすこぶる人間的。こんな世界だからこそそれぞれの人間臭さが際立つ。自分で掴む未来に遠く思いをはせた。

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2019/02/01

三崎亜記の本は何を書いてもネタバレになってしまう。 なので感想を書くことにすごく迷う。 一言、よかった、だけで良いだろうか。 この本は読まれるべき本だ、と思う。 三崎亜記はつくづく過小評価されている。

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2019/01/22

こんな世界に突然迷い込んでしまったら? 途方に暮れそう。協力してくれる人がいたからこそ抜け出せたのかも。それも、前から決まっていたことなんだろうな。 この本の色といい、結末といいなんか記憶に残る物語だった。

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2019/01/03

2018年末から読み始め、2019年初読了。 『ブレイブ・ストーリー』、『千と千尋の神隠し』と通ずるもののある異世界の感じ。 本への愛が込められている。 エピローグがいい。

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2018/12/23

飛翔する本、要石、何のためなのか(現時点では)よくわからない仕事、等三崎亜記の今までの作品に出てきたモチーフが総ざらいされている印象だが、ちょっとだけ異相の世界が描かれてきた既存作に比べると、今作は完全に異世界へのトリップもので、ジュブナイルな雰囲気。 なお、この本の装丁は、作品...

飛翔する本、要石、何のためなのか(現時点では)よくわからない仕事、等三崎亜記の今までの作品に出てきたモチーフが総ざらいされている印象だが、ちょっとだけ異相の世界が描かれてきた既存作に比べると、今作は完全に異世界へのトリップもので、ジュブナイルな雰囲気。 なお、この本の装丁は、作品の中に出てくる飛翔する本を再現したものとなっており、素敵だ。

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2018/12/02

+++ 僕が迷い込んだのは、「大地の秩序」が乱れた世界―― 三崎亜記のすべてが詰まった傑作ファンタジー! 故郷に帰るバスに乗ったユーリが迷い込んだのは、 遠近の概念が狂った世界だった。 ここでは、目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、 屋外に出ればたちまち道に迷ってしまう。...

+++ 僕が迷い込んだのは、「大地の秩序」が乱れた世界―― 三崎亜記のすべてが詰まった傑作ファンタジー! 故郷に帰るバスに乗ったユーリが迷い込んだのは、 遠近の概念が狂った世界だった。 ここでは、目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、 屋外に出ればたちまち道に迷ってしまう。 街の人々に教えられ、ユーリはこの世界のことを少しずつ知っていく。 私生活のすべてを犠牲にして、この世界の道筋を記憶する女性「ネハリ」。 不死の「渡来人」。砂漠の先にある「分断線」。 人間と決別し、野生に戻った本たちと「本を統べる者」。 そして、通り過ぎる街の人々を連れ去っていく「鼓笛隊」。 全滅の危機に瀕した街のために、ユーリは立ち上がる。 この世界にあるはずのない「30センチのものさし」を持って。 +++ 時空を超えた冒険物語である。ここと、どこかとの境は、ものすごく曖昧で、さまざまな要素が重なり合わないと超えることができないようだが、選ばれ、運命づけられ、時間も空間もあっさり超えて、宿命を果たすために行き来することがある。現実に戻ってみれば、すべてが夢物語のようだが、実際のところはどうなのだろう。不思議な夢をみた夜は、もしかすると本当にその世界へ行っているのかもしれない。なんて思ってしまう一冊だった。

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2018/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初読。図書館。「測量士」「道」「図書館」「空飛ぶ本」「要石」「象」など馴染みの言葉や概念が並んでいるだけで三崎ワールドだあ、と嬉しくなる。他の作品が現在の延長にある少しずれた世界だとしたら、この作品はまったく違う世界が主な舞台。違う世界で出会った二人が現代で再会するというよくある設定といってしまえばそれまでなのだが、三崎さんの手にかかるとおとぎ話のような柔らかな多幸感に包まれて、この青い表紙の本が愛おしくなった。

Posted byブクログ

2018/11/19

意外にもド正統派な冒険ファンタジー。不条理系を期待しちゃったので少し肩透かし。 ものさしが強力なアイテムという設定、奇抜さはあるけどちょっと持て余してるような...。なぜ瞬間移動できるの...? 現代作家さんによる、古典的な冒険劇というのは新鮮でした。

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2018/11/11

期待していた新作なのですが、私の好きな三崎さんではありませんでした。 三崎さんの物語の多くは、普通の生活の中にトンデモ無く有り得ない設定を突っ込むことから始まります。その奇怪さを楽しむだけでなく、その結果として生まれる不思議な哀感や滅びの美学と言ったものが私にとっての三崎さんの...

期待していた新作なのですが、私の好きな三崎さんではありませんでした。 三崎さんの物語の多くは、普通の生活の中にトンデモ無く有り得ない設定を突っ込むことから始まります。その奇怪さを楽しむだけでなく、その結果として生まれる不思議な哀感や滅びの美学と言ったものが私にとっての三崎さんの魅力なのです。 この長編は主人公のごく普通の司書の青年が迷い込んだ距離や高さ等の3次元が崩れた世界が舞台です。その世界の住人達と主人公が、共同で滅びの危機にある世界を救う物語です。 町の間に横たわる不可侵の砂漠、それを独自の方法で渡る測量士達、砂漠の中に突然現れる分断線とその中の象の墓場、図書館。さらにはこれまでの三崎作品に出てきた台風の様に街を蹂躙する鼓笛隊や野性を持った空飛ぶ本と本を統べる者なども出てきます。 そういう意味では三崎ワールド全開です。いつもは日常の中に1点のトンデモ設定なのに、何せ今回は全面トンデモ設定ですからね。 後半はジェットコースターの如く次々に起きる問題を、主人公と仲間達がそれぞれ能力を発揮して解決して行く。それはそれで面白いですよ。どこかジブリの映画を思わせる冒険活劇なのです。 でもね、それだけなら三崎さんで無くても良かった。そんな気がするのです。

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