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がんこスーパー の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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2020/03/26

早期退職の勧告を受けた青葉一成、妻の友枝と中2の娘の3人家族。 友人からの転職の誘いもあり、自ら退職する。 ところが転職先の社長が替わったため、開発課長の後任ではなくスーパーの副店長として研修することになった。 行ってみるとそこは今にも潰れそうな店で、白い外壁は薄汚れ看板は色あせ...

早期退職の勧告を受けた青葉一成、妻の友枝と中2の娘の3人家族。 友人からの転職の誘いもあり、自ら退職する。 ところが転職先の社長が替わったため、開発課長の後任ではなくスーパーの副店長として研修することになった。 行ってみるとそこは今にも潰れそうな店で、白い外壁は薄汚れ看板は色あせている。 店内は証明が暗く客もまばらで店員もあいさつ無し。 単身赴任の一成に会社が用意してくれたのは、かなり年季の入った木造平屋建て四棟借家の一棟でお隣は8歳ぐらいの品の良さそうな小柄な老女が住んでいた。 しばらくの間、店内の掃除と商品の陳列ばかりの日々が続く。 最初の定例ミーティングでアイデアを出すも店長は声を荒げて否定されるが、女性スタッフからは知恵を出し合おうと声をかけられる。 いろんなアイデアが出されるようになり、店の雰囲気が変わっていき客も増えていく。 ”がんこ”とは何? 一成は家族と仲直りできるのか。

Posted byブクログ

2019/04/02

今日から新年度となり、来月からの元号も「令和」になると発表された。元旦と4月1日は一年の中でも色々な意味で区切りの日だが、桜咲くこの季節は初々しい新入社員や新入学生が街を軽やかに歩いているので、ウキウキとした記文にもなることが出来る。 読書好きとしては気分的に落ち着く秋の読書も...

今日から新年度となり、来月からの元号も「令和」になると発表された。元旦と4月1日は一年の中でも色々な意味で区切りの日だが、桜咲くこの季節は初々しい新入社員や新入学生が街を軽やかに歩いているので、ウキウキとした記文にもなることが出来る。 読書好きとしては気分的に落ち着く秋の読書も好きだが、気持ちが体の外側にバーっと発散されるこの季節の読書も好きだ。そんな季節だけに、前向きで元気が出るような物語を読みたくなるというのも、これから花が咲き乱れて服装も軽やかになっていく時期だからだろう。 そういえば、英会話やヨガなどのスクールも4月に入る人が多いそうだ。学校関係が4月始まりだというだけではなく、4月という月は、春という季節は、何かを始めたくなる季節でもあるということだろう。 また、3月末に定年退職して、4月から新しい人生を歩み始める人も多くいらっしゃることだろう。人生100年時代になり、50代になってもまだまだ若造と思われる昨今。50代だろうが60代だろうが、新しいことを始めるのに遅いということはなさそうだ。 山本甲士さんが書かれた「がんこスーパー (ハルキ文庫)」は、人生捨てたものてはないし正直者は報われるということを感じさせてくれる物語だ。温かみのある登場人物は、さすがに山本甲士さんならではだなと思う。 主人公の青葉一成は、中堅クラスの会社でつい最近営業課長になったばかり。特に取り柄は無いものの、真面目に正直に働いてきた中年サラリーマンだ。ところが、課長になったがために管理職を対象としたリストラを勧告されることになる。それでも、旧友のつてで新たな会社に課長待遇で再就職できることになったが、その会社の社内事情に振り回されて倒産寸前のオンポロなスーパーに派遣されることになってしまった。売り上げを大幅にアップさせる必要に迫られながらも、がんこな店長にはスパイ扱いをされ家族からも冷たく扱われる始末。それでも青葉は、持ち前の真面目さと謙虚さで新たな取り組みを展開していく。 この物語は端的に言うと、小さいながらもサクセスストーリーだ。多少のトラブルは発生するものの、主人公を中心に素晴らしい人々に囲まれて、少しずつながら皆が幸せになっていく様子が素敵だ。 憎らしい悪役が出てきてハラハラする物語も楽しいが、思う通りの展開で次々と良い方向に展開するこの物語も楽しい。世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる展開は、ひょっとしたら自分の回りでも起こるのではないかと思わせられるような、そんな身近なささやかさがまた良い。 人間関係で悩む人の多い現代だが、だからこそ人のご縁や思いやりが丁寧に書かれている物語を読むことは大切だ。こんなことが起きると素敵だなと思わせてくれる一冊であり、こんなことを起こしてみたいなとも思わせてくれる一冊だった。

Posted byブクログ

2019/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下降気味の現状を少しでも改善しようと模索する中、周囲の人たちへの感謝の気持ち、優しさ、気遣い、思いやりを主人公らしく大切にし、さまざま人との繋がりを生かし前進する奮闘物語。

Posted byブクログ

2019/03/14

「どろ」「かび」「とげ」「つめ」「ひなた弁当」「ひかりの魔女」・・・、山本甲士さんの作品、読み応えがあってはずれがないです。「がんこスーパー」(2018.10)も楽しめました。大手会社をリストラされた青葉一成が2つの大型スーパーに挟まれ、今にもつぶれそうな弱小スーパー、みつばスト...

「どろ」「かび」「とげ」「つめ」「ひなた弁当」「ひかりの魔女」・・・、山本甲士さんの作品、読み応えがあってはずれがないです。「がんこスーパー」(2018.10)も楽しめました。大手会社をリストラされた青葉一成が2つの大型スーパーに挟まれ、今にもつぶれそうな弱小スーパー、みつばストアを再生する物語。前半は苦労ばかりでしたが、地元産有機野菜、形よりも味と健康を重視した「がんこ野菜」のアイデアから、店員、お客との一体感が!後半はワクワクしながら読了しました。

Posted byブクログ