母の前で の商品レビュー
仏古典文学者である著者が、100歳を超え痴ほうが進んでいく母親を静かに見つめ記録していく。 母親はウクライナ出身のユダヤ人で、息子であるパシェとの会話の中でもロシア語やイディッシュ語が混ざる。それは、たぶん老いてゆく中で、昔の古い記憶はのこるという現実なのだろう。施設にいる母親を...
仏古典文学者である著者が、100歳を超え痴ほうが進んでいく母親を静かに見つめ記録していく。 母親はウクライナ出身のユダヤ人で、息子であるパシェとの会話の中でもロシア語やイディッシュ語が混ざる。それは、たぶん老いてゆく中で、昔の古い記憶はのこるという現実なのだろう。施設にいる母親を訪ねるパシェを、息子とは認識できない。 老いていく母親を書き残しながら、老いるという事・生と死・脳が死ぬという事など、さまざまに考察する。 家族の老い、自分自身の老い、いろいろ考えるきっかけとなる。
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