耐心力 の商品レビュー
自分は、なぜ自分のことばかり考えているのだろう。 自分がどんなに追い込まれ、どん底に落ちたって、自分を信じ続けてくれる人たちがいる。その人たちのために戦わなければならない。 どんなにつらくても、置かれた環境から外に出た時、苦しんだ分だけ価値のあることをやっていたんだなと思える...
自分は、なぜ自分のことばかり考えているのだろう。 自分がどんなに追い込まれ、どん底に落ちたって、自分を信じ続けてくれる人たちがいる。その人たちのために戦わなければならない。 どんなにつらくても、置かれた環境から外に出た時、苦しんだ分だけ価値のあることをやっていたんだなと思える。だから今は苦しい時間も楽しんだ方がいい。 振り返ればグレードアップすることができたと思えても、当時は目の前のことに必死になるあまり、自分のどの部分が成長し、何が足りないのかよくわからないまま日々を過ごしていた。 チャレンジには、いつだって苦しさや厳しさが伴う。でも、それによって新しい自分に出会えると思えば、苦しさや厳しさをポジティブに解釈することが出来る。後になって振り返れば、楽しかった、と思えることだってあるかもしれない。 走るのが好きになった話 そもそも僕は走ることが向いていないのに、必要以上に頑張ろうとするから苦しい。欲張って、トレーニングのため、とスピードを上げようとするから苦しくなる。 逆に欲張らずにスピードを抑えながら走ってみると、自分のペースを保てばいくらでも走れることに気づいた。 もしかしたら速いペースで走って、途中でやめてしまうより、自分のペースでゆっくりと走った方が前に進んでいるのかもしれない。 大切なのは、自分のペースで前に進むことだ。途中でやめてしまうくらいなら、ペースを乱さず、自分のペースで走り続ける方がいい。焦る必要はない。 嫌いなことにトライしてみる。すると、そのことが自分に新しい可能性をもたらしてくれることがある。そうして生まれた新しい可能性には、それまでの嫌いを好きに変えるパワーがある。今の僕は嫌いをそのまま放置しない。自分の可能性を大きく広げる可能性を秘めているから。 人は、どん底に追い込まれた時こそ、変わらなければ、進化しなければ、そこから這い上がることは出来ない。 この数年間はどん底の連続だった。つまり変化の連続でもあった。変わらなきゃ、前に進めなかった。自分を信じて、信じるからこそ変えて、前に進んできたから今の自分がある。 生きていれば、人は誰しも困難を経験する。発狂したくなる場面に遭遇するかもしれないし、心折れそうな出来事に直面するかもしれない。 当時フランス代表に選ばれていたクラスの選手でも移籍するのが簡単ではない。GKのマーケットはそれくらい複雑で、ヨーロッパのパスポートを持たない日本人GKである自分は、さらに倍増した難しさに翻弄された。 自分はやれる。まだ成長できる。もっと上のレベルで戦える。そう信じていた。それなのに、目の前にある理想とはかけ離れている。チームがないを、サッカーが出来ない。日本代表に呼ばれることなんて、もうあり得ない。 後悔が頭をめぐった。落胆と絶望、困惑と焦燥の念がぐちゃぐちゃに混ざり合って、目の前を行き来した。 結婚したばかりで、もうすぐ子どもが生まれてくる。それなのに、俺はなんでこんなバカげたことをやっているのだろう。こんな結果になるんだったら、プライドなんて捨ててしまえばよかった。どこのチームでもいいから、サインすればよかった。この先、どうやって生きていけばいい? ギリギリのところまで追い詰められていた。絶望を通り越してきた先に、底の底まで突き落とされた。 そんなどん底に落ちていく感覚の中で、ある言葉が思い浮かんだ。 人生の中で本当に踏ん張らなければならない時があるとしたら、それはいまではないか。 信じる道を進まなかったら絶対に後悔すると思っていた。信じる道を進んできたせいで何度も後悔したけど、それでもまだ、自分の中には自分を信じられる感覚がある。ならば、やっぱりそれを信じるしかない。そうでなければ、全てが終わったときに後悔してしまう。 あとがきが、類を見ないほど素晴らしい。涙出た。
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2010年の南アフリカから2018年ロシア大会まで 3回のワールドカップで正ゴールキーパーとして 活躍した川島氏の著作です。 いわゆる5大リーグへいつかは行くのだ、という 目標を胸にベルギーやスコットランドリーグを経て 現在(2019年1月時点)はフランスのストラス ブールに籍...
2010年の南アフリカから2018年ロシア大会まで 3回のワールドカップで正ゴールキーパーとして 活躍した川島氏の著作です。 いわゆる5大リーグへいつかは行くのだ、という 目標を胸にベルギーやスコットランドリーグを経て 現在(2019年1月時点)はフランスのストラス ブールに籍を置いています。 その途中には所属チームが決まらないうちに シーズンが始まってしまうなどの苦労もありまし たが、それを耐え抜きました。 そしてそれらが全て今に繋がっていると語って います。「目標を胸に耐え抜くこと」 そんな信念を学ぶことができる一冊です。
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