世界中の青空をあつめて の商品レビュー
家族小説で、お年寄りが話の中心になっているのが面白い。「過去」と「未来」をつなぐもの、それは現在であって、今を全力で生きることで過去の捉え方、そして未来は変えることができる。目的や目標がないときは、家族と今を過ごすのもいいなと思った。 個人的に好きな文 形のないものをひたむきに...
家族小説で、お年寄りが話の中心になっているのが面白い。「過去」と「未来」をつなぐもの、それは現在であって、今を全力で生きることで過去の捉え方、そして未来は変えることができる。目的や目標がないときは、家族と今を過ごすのもいいなと思った。 個人的に好きな文 形のないものをひたむきに追い求める姿は、こんなにも美しくて清しい。 離れなければわからないこともあれば、至近で寄り添わなければわからないこともある。
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非常に素直でストレートな作品。生きて生きて、人生を重ねることの尊さを、若者の視点から見ることができるというテーマも良い。その分、この後どうなるのだろうというワクワク感はあんまりなかったかも。
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2020年の東京オリンピックが決まった日、祖父は55年前の約束を思い出していた。 「もしオリンピックが東京に決まったら、この封筒を開けてください」 箪笥の奥から引き出した古びた封筒は、前回の東京オリンピックのものだった。 東京で挫折し、愛媛の実家に戻ってきていた和樹は...
2020年の東京オリンピックが決まった日、祖父は55年前の約束を思い出していた。 「もしオリンピックが東京に決まったら、この封筒を開けてください」 箪笥の奥から引き出した古びた封筒は、前回の東京オリンピックのものだった。 東京で挫折し、愛媛の実家に戻ってきていた和樹は、祖父の頼みで封筒に書かれていた約束を果たそうと、再び東京に戻る。 55年前、運動場の隅に埋めたタイムカプセルからは、かつて祖父が陸上のコーチをやっていて、その教え子5人からの手紙が入っていた。 サクサク読みやすい。
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優しい気持ちになれる小説だ。はっきり言ってすぐに結論は予測できるし、裏切られない。登場人物に理解不能の悪人はいないし、予測不可能な行動をとる変人もいない。 ただ、こういう話は時々読む必要がある。正気を取り戻すための大切な休息だ。ひねくれた現代人の内面世界をもとに戻さなくてはな...
優しい気持ちになれる小説だ。はっきり言ってすぐに結論は予測できるし、裏切られない。登場人物に理解不能の悪人はいないし、予測不可能な行動をとる変人もいない。 ただ、こういう話は時々読む必要がある。正気を取り戻すための大切な休息だ。ひねくれた現代人の内面世界をもとに戻さなくてはならない。疲れたときに読むのがいい。 現実の人間はさほど善意には満ちていない。歳月を隔てて志を保てる人も少ない。何よりいのちの保証もない。そういった様々な問題を小説世界はあっさりクリアしている。そういう人間関係があることは理想だし、あらねばならない。小説はそれを果たしてくれる安全地帯だ。
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爽やかで、毒がなく、青空のように清々しい良作です。 再生の物語であり、青春小説のようでもあり、家族の話しでもある。 2015年。東京の街で人生に失望し、人と目を合わせることさえできなくなった和樹は、みかん農園を営む実家で稼業を手伝うこともなく、祖父と無為な日々を過ごしている。 そ...
爽やかで、毒がなく、青空のように清々しい良作です。 再生の物語であり、青春小説のようでもあり、家族の話しでもある。 2015年。東京の街で人生に失望し、人と目を合わせることさえできなくなった和樹は、みかん農園を営む実家で稼業を手伝うこともなく、祖父と無為な日々を過ごしている。 そんな中「2020年東京オリンピック招致」のニュースがもたらされた。 静かな祖父の心に火が灯ったとき、閉ざしていた和樹の心も動いた。 祖父がまだ大学生だった頃の〝不義理〟とは…。 引きこもり生活を続けていた和樹の中に小さな使命が生まれた。 当時中学生だった5人の行方を追いながら徐々にに見えてくる祖父の姿。 果たせなかった5人の〝約束〟とは…。 トントン拍子に話が進むので一気気読み。そんな物事は快活に進まねーよ!と思いつつも応援したくなるほど登場人物がみんないい人。 「生きるって、凄いね!」 文句なくハッピーエンド。 2019.3.12 今年の6冊目
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中村航さんらしい爽やかな作品。 なんと言っても終わり方が希望に満ち溢れているから、気持ちよく終われる。 好きなパターン。 家族をテーマにした作品はこれが初めてのようです。 人間の温かさや時としてのもろさを五感を通してうまく表現していて読みやすかったです。 心が病んでしまえば、生...
中村航さんらしい爽やかな作品。 なんと言っても終わり方が希望に満ち溢れているから、気持ちよく終われる。 好きなパターン。 家族をテーマにした作品はこれが初めてのようです。 人間の温かさや時としてのもろさを五感を通してうまく表現していて読みやすかったです。 心が病んでしまえば、生きていても死んでいます。 死んでいても、新たな物語が始まれば生き返ります。 主人公の和樹もいい人が故に負のサイクルに巻き込まれ、病んでしまうが、この人は強い。 病気で寝込んでしまう人や逃げてしまう人、命を絶ってしまう人もいる中で、和樹は責任感の塊です。 きっと新たな物語はうまくいくでしょう。 失敗の分だけ、成長があり、成長の分だけ、成功があると思います。 だから、心をおらさず、今を生きたいですね。
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