法学部、ロースクール、司法研修所で学ぶ法律知識 の商品レビュー

品川皓亮(著者)

2024/01/13

法学部で学ぶ「法理論の基礎」（法律学の基礎知識、憲法、民法、会社法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、法令・条文の読み方、法的思考法の基礎）、ロースクールで学ぶ「理論と実務の架け橋」（行政法、労働法、倒産法、知的財産法、要件事実と主張・立証責任、判例の重み）、司法研修所で学ぶ「法律実務」（民事訴訟の事実認定、刑事訴訟の事実認定、弁護士の思考法）のエッセンスを１冊に集約。
「学校で学ぶ法律」と「実務で使う法律」の全体像を１冊にまとめるという意欲的な書だが、それぞれのパートの内容はエッセンスというよりつまみ食い的なかなり中途半端な内容であることは否めず、入門であれ、深くであれ、ちゃんと法律を勉強したい人には不向きだと思われる。ただ、法学や法律実務の大体の雰囲気をつかみたいというのなら、このような法律に係る様々な内容を１冊に凝縮した本はほかにないと思うので、本書は良書だといえる（ただし、そのような意図で通読するのは根気がないとそれなりにたいへんである）。
個人的には、これまであまり触れたことのなかった倒産法や知的財産法、そして法律実務的な内容が参考になった。