影男 の商品レビュー

江戸川乱歩(著者)

2023/01/22

ちょっと内容が過激になってきましたが、その分、乱歩さん独特のめくるめく妖艶な世界を堪能できます。
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裏社会で大金をゆすり暗躍する「影男」。そんな彼に近づく「殺人請負会社」。そこに地下空間に作られた壮大な「パノラマ世界」が絡み物語は急展開へ…。
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一体何のことやらという感じですが、読み始めるとこれが止まらないのです。物語にぐいぐい引き込まれるのです。乱歩さんの魔力半端ないです。

この小説が明智小五郎最後の出演？作品だそうで、そのせいかこれまでの乱歩作品を２つか３つ合わせたような豪華なストーリーでした。
今でも面白いのに、インターネットもメタバースもない昭和30年代の人たちにとっては途轍もない娯楽だったに違いありません。

影男(相変わらず絶妙なネーミングセンス！)は、ただのゆすりではなく、悪い人を懲らしめたり、女の子を助けたり、ルパンのような面もあります。この愛すべきキャラクターがこの他で見られないのは少し残念です。