社会福祉法人の事務処理体制の向上支援業務 の商品レビュー
社会福祉法人に対する会計制度としては、平成12年の介護保険制度の創設時に制定された社会福祉法人会計基準において初めて損益計算の考え方が導入された。以前は措置費事業として事業を行ってきており、その際の会計制度は、公費である措置費の収支状況を明瞭に表示することを目的として収支計算の考...
社会福祉法人に対する会計制度としては、平成12年の介護保険制度の創設時に制定された社会福祉法人会計基準において初めて損益計算の考え方が導入された。以前は措置費事業として事業を行ってきており、その際の会計制度は、公費である措置費の収支状況を明瞭に表示することを目的として収支計算の考え方に基づいていた。平成12年の介護保険制度の創設で、特養ホームは施設と利用者との直接契約となった。これによりサービス事業者間での共同関係が生じ、施設経営の効率性を明らかにする会計制度として損益計算の考え方が導入された。その後、幾度の会計基準の改正を経て、平成28年3月には厚生労働省令が発出された。さらに29年度から法定監査が義務化された。このように社会福祉法人を取り巻く環境は大きく変化している状況にあり、法定監査が義務化されていない法人においても税理士や公認会計士の関与が望ましいとされている。本書では、「財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援」における「財務会計における事務処理体制に係る支援項目リスト」の内容を中心に解説されている。社会福祉法人制度の概要、社会福祉法人が行う事業など基礎的な解説から、社会福祉法人特有の会計、税務の解説まであり、社会福祉法人に関与しようと考える職業会計人には必携と言える内容だ。
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