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ハインケルHe111 の商品レビュー

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2019/04/21

No.99のHe111に対して新版。記事は八巻芳弘氏から国江隆夫氏に。鳥養氏の記事は加筆修正版。 どちらがいい悪いではなく、2冊で補完してよりHe111のことが分かるという本。 開発当初は普通に機首と操縦席窓があり、低翼単葉の旅客機ベース(爆撃機化は最初から考えていたと思うが...

No.99のHe111に対して新版。記事は八巻芳弘氏から国江隆夫氏に。鳥養氏の記事は加筆修正版。 どちらがいい悪いではなく、2冊で補完してよりHe111のことが分かるという本。 開発当初は普通に機首と操縦席窓があり、低翼単葉の旅客機ベース(爆撃機化は最初から考えていたと思うが)ということもあって、H型より前は普通の飛行機に見える。 それに対して、地上での前方視界を確保し、空気抵抗も減らそうというので全視界型の機首に変えてから一気に悪役っぽいスタイルに。 後退角をもった直線テーパー翼、当初からあった胴体近傍で翼弦が短くなる内翼、段差のないのぺっとしたガラス張り機首。ドイツ人は意図して悪役っぽくしたわけではないだろうに、なぜこうも悪役っぽい爆撃機になってしまったのか不思議。 ハインケルによると、設計者のギュンター兄弟はジークフリートは技術者の才能が高く、ヴァルターは芸術家肌だったという。He70はヴァルターの美的感覚が強く表れていると記事で評されている。 ヴァルターは惜しくも1937年に交通事故で亡くなる。He111の機首の改造はジークフリートにより行われたとある。左右非対称の機首や全体の悪役っぽさはヴァルターが生きていたら違うものになっていたかもしれない。 旅客機ベースのため爆弾搭載スペースの制約が大きく、大戦中徐々にJu88と交代するが、終戦まで使われ、スペインでは戦後も使われた。第二次世界大戦の主要キャラの1機であり「傑作機」と呼ぶには十分。

Posted byブクログ