少女たちは夜歩く の商品レビュー
中心に城山がある街を舞台にした、不思議な短編10作品。時間軸がずれて重なるので、読みにくかった。もう一度読み直したら、深く味わえそう。
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真ん中に山城をシンボルに持つ地方都市で薄気味の悪い事件が起き、短編が進むごとに少しずつつながって行きます。狂気と不思議な生き物の存在で町が違うものに感じられて来ます。 戦前に書かれた絵に描かれた、コウモリの顔と猫の体を持つ三本指の生き物。それが森の中にうごめいていますが、果たして...
真ん中に山城をシンボルに持つ地方都市で薄気味の悪い事件が起き、短編が進むごとに少しずつつながって行きます。狂気と不思議な生き物の存在で町が違うものに感じられて来ます。 戦前に書かれた絵に描かれた、コウモリの顔と猫の体を持つ三本指の生き物。それが森の中にうごめいていますが、果たしてそれは悪なのか善なのか・・・。 なんとも形容のし難い物語で、読んでいて指先が冷たくなる感じでイヤーな気分が蓄積して行きます。ホラー?そうねホラーかもね。
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城山のある街を舞台にした連作ホラー。それぞれの物語は独立しているようでも繋がっていて、そこに隠されたさまざまな謎も解けるような、解けないような。幻想的で不可思議で、そしてほんの少し不気味な読み口が魅力的です。 個々の物語の登場人物たちも魅力的だけれど、おそらく一番魅力を司どってい...
城山のある街を舞台にした連作ホラー。それぞれの物語は独立しているようでも繋がっていて、そこに隠されたさまざまな謎も解けるような、解けないような。幻想的で不可思議で、そしてほんの少し不気味な読み口が魅力的です。 個々の物語の登場人物たちも魅力的だけれど、おそらく一番魅力を司どっているのは、すべての中心にあるかのように思える城山なのかも。いろんなものが引き込まれ、呑み込まれ、変貌していったのではないかという気さえします。やはり「ぼくの友だち」のあれが印象的でした。とんでもなく怖いような、でもどこか愛らしく切ないような。 ホラーとして一番恐ろしかったのは「猫を抱く女」。あの謎の生き物に関してはともかく、絵の中から現れてくる者たちがあまりに恐ろしくて。心理的にひどく追い込まれる、これは本当に嫌な話でした。
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宇佐美まこと、4冊目。 霊感とか、ありえないもの、空想上のものに解決策を求めるのは、あまり好きじゃない。 あまり救いのない話だし、読みやすくて一気に読んでしまったけど、もうひとつかな。
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街の中心にある城山のまわりで起こる不思議で不気味な事件。ひとつひとつは全然違う事件なのだけど、読み進めていくとだんだんひとつにつながっていく。読み始めはなんてことなく感じたけど、読み進めていくうちにだんだん面白くなり最後は一気に読んでしまう。謎はいろいろ残るけど、でもそれはそれで...
街の中心にある城山のまわりで起こる不思議で不気味な事件。ひとつひとつは全然違う事件なのだけど、読み進めていくとだんだんひとつにつながっていく。読み始めはなんてことなく感じたけど、読み進めていくうちにだんだん面白くなり最後は一気に読んでしまう。謎はいろいろ残るけど、でもそれはそれで良い感じ。
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ホラーとは思わずに図書館で。 飛ばし読み。 でも部分的には面白かった。 ちゃんと読めば繋がりもわかってより面白いのかも。 ホラーの気分ではなかったので…。
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最初読んでて短編小説の寄せ集めかとおもいきや、全ての物語が複雑に絡まり、進むにつれ「あれ、この人‥」と思う箇所が増えていった。 どの主人公も狂気的な一面があって、普段の生活では体験することの無い想像を描いていた。清掃員のおじさんが、、繋がる因果、、遺伝的なもが受け継がれるってこ...
最初読んでて短編小説の寄せ集めかとおもいきや、全ての物語が複雑に絡まり、進むにつれ「あれ、この人‥」と思う箇所が増えていった。 どの主人公も狂気的な一面があって、普段の生活では体験することの無い想像を描いていた。清掃員のおじさんが、、繋がる因果、、遺伝的なもが受け継がれるってことなのか
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面白くなくはない(ていうか、面白いw)んだけど、読んでいて、なぁ~んか物足りないだよなぁ~。 何なんだろうなーと思っていて、「711号室」を読んでいたら、あ、これって、(ストーリーの核が)「実話怪談」と同じなんだと気づいた。 とはいえ、プロの作家の書く話だから。描かれる世界は「実...
面白くなくはない(ていうか、面白いw)んだけど、読んでいて、なぁ~んか物足りないだよなぁ~。 何なんだろうなーと思っていて、「711号室」を読んでいたら、あ、これって、(ストーリーの核が)「実話怪談」と同じなんだと気づいた。 とはいえ、プロの作家の書く話だから。描かれる世界は「実話怪談」のそれより全然リアルなんだけどさw でも、ストーリーを「実話怪談」に出てくるような決まりごとで紡いでいっちゃうところがあるから、「ホラー小説」の一歩手前で終わっちゃう。と言ったらいいのかなー。 いや。「えー、そこがいいんじゃん!」という方もいるだろうし。また、それもとってもよくわかる。 でも、「ホラー(小説)」って、最近は衰退の一途なこともあって。ホラー小説ファンとしては、(怪談ではなく)「ホラー小説」として書いてほしかったと思ってしまうんだろうw 思うに、受け継がれる不幸の連鎖、人を死に追いやる三本指の指の小動物や白い蛾、死が見える人、死者と普通に対話出来る人等々、(ホラーの)物語としてはどれも魅惑的な要素なのに。それをつなげるものが、「城山の森」という曖昧なものしかないため、ホラーではなく怪談っぽくなってしまうんじゃないのかぁ~。 見も蓋もないことを言うようだけど、それがどんなに鬱蒼とした森だったとしても、所詮は街中にある小山の森でしかないわけでw (東京近辺の感覚で言っちゃうなら)それがどんな森だったとしても、高尾山や筑波山よりは小さい森なわけで、高尾山や筑波山って、そんな不気味さはないよなーってなってしまうんだと思う。 (実際は、どこに行っても人を感じる関東近辺より、四国辺りだと何か違う雰囲気があるんだとは思うけど…) あと、読んでいて、語り手がやけに草木の名前に詳しかったり、難しい言葉や一般的ではない用語を使うのが気になった。 それこそ、「白い花が散る」の語り手だ。 「白い花が散る」語り手は、冒頭「オレは頭が悪い」で始まり、「そうなったら、シュラバだ。シュラバってどいう字を書くか知らないけど」という人なのだ。 そういう人が、「蔓性植物」だの「体躯」なんて言葉はまず使わないと思うのだ。 また、「凝視している」ではなく、「じっと見ている」みたいな普通の言葉ではなぜダメなんだろう? 実はそれ、最初のその城山の説明で「平山城」や「郭」という言葉が当たり前のように出てきて、ちょっと違和感を覚えた(ま、昨今の城ブームで、それらの言葉も一般化したとはいえw)。 「繭の中」で、その語り手である、ずっと遠洋漁業で暮らし、大酒で身も家庭も壊しちゃったような人が「キャンパス」や「アダルト・チルドレン」なんて言葉を言い出した時は、思わず「はい!?」ってw いや、重箱の隅をつつくような話で本当に申し訳ないと思う。思うのだけれど、ホラーというのは、やっぱり雰囲気だと思うのだ。 ホラーだし、フィクションだから、そこで語られることは現実でないに決まっているのだが、でも、読んでいてその雰囲気に酔わさることで、読者はそのフィクションと現実と異世界の境を彷徨うようになっていく。 ホラーの楽しみというのは、そこ!現実でもなく、かといって丸っきり異世界でもない、その境目を彷徨うことだと思うのだ。 でも、なんかしら違和感があると、その物語の世界の現実味が壊れてしまう(異世界がたんなるお話の中の話になってしまう)。 それが壊れてしまったら、読者はその雰囲気に酔えない。酔えなければ、読者はそのフィクションと現実の境を彷徨えない。 そうなってしまったら、それは「実話怪談」という作り話になってしまうと思うのだ。 そう。自分は、怖い話を読みたいんじゃない。怖くて面白くいホラー小説を読みたいのだ!w と、否定的な感想ばかり書いてしまったが、でも、個人的にはこの著者は何かひっかかるものがある(生意気言うようだけどさw)。 なんだろう? その内、ものすごいホラーを書いてくるんじゃないだろうか?っていう期待みたいな。 ということで、その時、「コイツ、この作家にこんな低い評価つけてるよ」と言われちゃうのもイヤなので、★は4つにしておく(爆)
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地元出身の作家さんが、地元の土地を題材としていたので、読破しました。 ミステリーとしても大変面白かったですし、何より地元の土地がいくつも出てきて照らし合わせながら読めたことが何より楽しかったです! 複雑に絡み合う、登場人物と物語の関係がありメモをとりながら読み終えました。 「ここ...
地元出身の作家さんが、地元の土地を題材としていたので、読破しました。 ミステリーとしても大変面白かったですし、何より地元の土地がいくつも出てきて照らし合わせながら読めたことが何より楽しかったです! 複雑に絡み合う、登場人物と物語の関係がありメモをとりながら読み終えました。 「こことここが繋がってたんだ!」と気づいた時のワクワク感が楽しめます。 ミステリー好きの人、ちょっとドロドロな人物関係を読み解くのが好きな人におすすめです。
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始めの章で脇役として登場した人物が、別の章ではその脇役だった人達の目線で描かれていて、始めの章の主人公である相原杏子がその後どうなっていたのかが、段々と判明していき、登場人物全員が、どこかでつながっているのが面白かった。読み進めていくうちに出てくる登場人物が、「あれ?あの人だっけ...
始めの章で脇役として登場した人物が、別の章ではその脇役だった人達の目線で描かれていて、始めの章の主人公である相原杏子がその後どうなっていたのかが、段々と判明していき、登場人物全員が、どこかでつながっているのが面白かった。読み進めていくうちに出てくる登場人物が、「あれ?あの人だっけ?」「ん?この人でてきたっけ?」などと思いながらページを戻ったりすることが多く、そこがまた面白く、かといって複雑ではないので、ミステリーだけど読みやすく、その点でも良い作品だと思った。
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