ストレイ・リング の商品レビュー

水壬楓子(著者),石田要

2022/06/08

▼あらすじ
「決まった相手がいないのなら、私とつきあってみるか?」
4年前、大手総合商社に勤める藤近は、ブランド・マーケティング部の部長である右城に誘われ、彼の“愛人"となった。
妻と娘を持つ右城とは身体だけの関係――そう自分に言い聞かせ、右城に惹かれながらも割りきってきた藤近。
けれど、悦びと安らぎをくれる男の腕が決して自分のものにならないことに心は痛むばかりで…。
書き下ろしも収録した、年の差アダルトロマンス新装版!

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ストーリーの完全度：高い
トーン：せつない・あまあま
エロ度：やや高い
萌え度：高い
総合評価：★4.5

表紙に惹かれて購入。
そこはかとなく古き良きBLの香りがする作品だなーと思いながら読んでいたら元は2004年の作品だそうで。やっぱり！って感じでした(笑)

とにかく右城さんがダンディでスーパー格好良いです。ただただそれに尽きます。最近こういうダンディな攻め様あんまり見かけないよな…。(ファインダーの麻見様くらいしか思い浮かばない…)

対する藤近は一言で言い表すなら意地っ張り。なかなか素直になれず、気持ちとは真逆の行動を取ってしまったりします。
そんな藤近の性格を誰よりもよく分かっている右城。藤近から別れを告げられてもあっさり受け入れます。引き止めてくれるのではないかと心のどこかで期待していた藤近はショックを受けるのですが、ここで右城が引き止めなかったのは理由があって、そのあと実に意地悪な方法で藤近を追い詰め、再び陥落させます(笑)

もうね、憎たらしいほど最初から最後まで余裕たっぷりなんですよ、右城という男は(笑)
そんな右城に、藤近は最後まで手のひらの上で転がされっぱなし。いつだって右城の方が一枚も二枚も上手なのです。
でも、右城は藤近の事が可愛くてしょうがないんですよ。
意地っ張りなくせに寂しがりやのワガママで、放っておくと直ぐに拗ねちゃうちょっと面倒くさい藤近の事が愛おしくてたまらないんです。骨抜きですよ、骨抜き(笑)

不倫という形で始まるからには修羅場を予想していたのですが、右城の家族が皆さっぱりしているせいかそういう展開は一切なく、殆どストレスを感じる事なく最後まで楽しく読めました。
とにかく右城がイイ男なので、年の差やオヤジ攻めが好きな人には堪らない一冊だと思います。エロシーンも割と多めなので、表紙のアダルトな雰囲気が好みなら読んでみてまず損はないと思います(^^)v