NORTH 北へ の商品レビュー
3500kmを46日で走破するには、体力、気力ではなくて、友人力が必要だ、ということがよく分かった。角幡唯介の解説が秀逸だ。ほぼ本文と同じぐらいの内容がある。
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史上もっとも偉大なウルトラマラソンランナーのひとりであるスコット・ジュレクが「レースから引退する」と公言していた40歳になった時、自分はどうなりたいのかをかけて挑んだアパラチアントレイル。総延長2189マイルのFKTを目指したスコットと妻ジェニーのまさに魂の記録。睡眠時間を削り、...
史上もっとも偉大なウルトラマラソンランナーのひとりであるスコット・ジュレクが「レースから引退する」と公言していた40歳になった時、自分はどうなりたいのかをかけて挑んだアパラチアントレイル。総延長2189マイルのFKTを目指したスコットと妻ジェニーのまさに魂の記録。睡眠時間を削り、自分の肉体のタンパク質まで消耗しながら44日間で達成したFKT、ジャーカーとジェイルーも素晴らしいが、二人を支えたサポートチームが凄い。自分のレースや仕事を投げうって彼らのもとに駆け付けるのは、やはり、ジュレクがウルトラマラソンランナーたちに愛されていたから。トレイルの魅力、限界状態のジュレクの描写とともに、熱い友情が印象に残った。2015年7月12日、きしくもジェイルーの誕生日、ATのFKT達成、おめでとう!
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アメリカ東部の自然歩道アパラチアン・トレイル、走行距離3,500kmの最短記録を目指したノンフィクション。 ランナー、特にトレイル・ランナーならば人間が限界点に達しそうなとき、どのような精神状態に陥るのか、どうすれば平静を保つことができるのか勉強になる。 トレイルランというそのラ...
アメリカ東部の自然歩道アパラチアン・トレイル、走行距離3,500kmの最短記録を目指したノンフィクション。 ランナー、特にトレイル・ランナーならば人間が限界点に達しそうなとき、どのような精神状態に陥るのか、どうすれば平静を保つことができるのか勉強になる。 トレイルランというそのランナー自身の一過性の出来事のように思える行為だが、実際にランナーのように個人的な意思だけではなく周囲の支え・助言があってなされていく。長距離走は個人戦ではなくチーム戦なのである。 ランニングを趣味にしてない人にとっては対岸の火事としか感想を持たないと思う。オタクな世界がランニングコミュニティーには広まっているのです。
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===qte=== NORTH 北へ スコット・ジュレク著 心身の限界に挑む人の内面 2018/10/20付日本経済新聞 朝刊 米国東部をアパラチア山脈に沿って南北に貫く約3500キロの長距離自然歩道、アパラチアン・トレイル。長距離ランナーとして数々の実績を残した著者が、4...
===qte=== NORTH 北へ スコット・ジュレク著 心身の限界に挑む人の内面 2018/10/20付日本経済新聞 朝刊 米国東部をアパラチア山脈に沿って南北に貫く約3500キロの長距離自然歩道、アパラチアン・トレイル。長距離ランナーとして数々の実績を残した著者が、40歳を過ぎた新たな挑戦として、その最速踏破記録に挑んだ。46日と8時間余りに及ぶ記録達成の過程を詳細に記した本書は、困難にあえて立ち向かう人間の内面を生々しく伝える。 挑戦を決めたとき、著者は米国在住ながらアパラチアン・トレイルのうち32キロほどしか歩いたことがなかった。そんな未知の行程を1日平均80キロの速さで南から北へ走り抜く。40代を迎えて自分が「どんづまり」にいると感じていた著者は、自分の限界を超える感覚を求めた。 足の激しい痛み、悪天候、熊との遭遇。次々に直面する苦難と闘いながら、著者は挑戦の意味を自問し続ける。ときに絶望感にさいなまれる彼を、駆けつけた友人や同じ道を歩く人たちが励ます。周囲の人々との心の触れ合いがすがすがしい。 亡くなった母の思い出が脳裏によみがえるくだりは、著者の人生が決して順風満帆ではなかったことをうかがわせてとりわけ胸に迫る。彼を支え続ける妻の視線も随所に織り込まれ、夫婦の絆の強さを思わせる。巻末に収めたノンフィクション作家で探検家の角幡唯介による解説が平易だ。栗木さつき訳。(NHK出版・2000円)====unqte===
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ウルトラマラソンやトレイルマラソンのランナーが、約3500kmのアパラチアントレイルを走って、最速記録を更新しようと挑戦した時のレポートのような本。 全盛期ではないが、過去の栄光に満足せずに新しい挑戦に向かうのはすごいと思ったが、並行して綴られる奥さんのレポートを読んで、そんな...
ウルトラマラソンやトレイルマラソンのランナーが、約3500kmのアパラチアントレイルを走って、最速記録を更新しようと挑戦した時のレポートのような本。 全盛期ではないが、過去の栄光に満足せずに新しい挑戦に向かうのはすごいと思ったが、並行して綴られる奥さんのレポートを読んで、そんなに単純な話でもなくて、考えさせられた。 一ヶ月以上かかるため、1人や夫婦だけではとてもできず、 10人以上のサポートを受けて挑んでいるが、その1人一人とのエピソードややりとりが、面白いし、 疲弊しているスコットジュレクにとって救いとなっていることもわかった。 後半は疲弊して、それでも尻をたたかれるようにしてなんとか走っているが、 そんな状態でも奥さんへの気持ちが切れなかったことが、一番の感心させられたことだった。 伴奏者1人一人とのエピソードがちゃんと残っているほどちゃんと人とつきあっていて、社交的な人だと思うが、 最後の最後、一番疲れているときでも妻を思いやる姿は、感動していた、かもしれない。 自分を追い込むことに意味があったというし、走り続ける中で、禅の公案のように、ひたすら考えることになるのは、少し共感できた。 私自身マラソンを走ったりする事もあるが、ゴールを目指すだけでなく、どこかにたどり着くためにひたすら走る、というのも楽しめるようになりそうだ 読みおわって、また長く走りたいと思うようになった、また走りたいと思える、そんな本だと思う
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