死体が教えてくれたこと の商品レビュー
死から生をかんがえる。 元々「死ぬ」ということに興味が強い私。 10代向けの棚に置いてあったが、勝手に手が伸びた。 読み進めるにつれて、上野先生の経験談にどんどん引き込まれていく。 90歳の著者が語る戦争体験や子ども時代の話は、現在30代の私にとって刺激的なものばかりだ。 監察...
死から生をかんがえる。 元々「死ぬ」ということに興味が強い私。 10代向けの棚に置いてあったが、勝手に手が伸びた。 読み進めるにつれて、上野先生の経験談にどんどん引き込まれていく。 90歳の著者が語る戦争体験や子ども時代の話は、現在30代の私にとって刺激的なものばかりだ。 監察医という職業も恥ずかしながら初めて知った。 東京大阪名古屋などの都市圏にしか存在しない希少なお医者さんということも。 だーーーっと一気に読んだ。 人にはいろんな死に方がある。 病死、変死、老衰、、いろいろだ。 わたしはどれになるんだろう? 上野先生が診てこられた様々な事件、事故。 読んでいるのも辛い例もあった。 しかし、そういった、なるべく関わりたくないような案件であっても、その人の死に向き合い、事実を正確に把握することの大切さ。それを勉強させてもらった。 この人の世の中で皆が平等に命の尊厳を持ち、生きていくために明らかにするべきことなのだ。 私はすぐ感情移入して泣くことが多いので、次々に現場で遺体やその遺族と関わる仕事なんて、考えられない。 上野先生は生きている人も死んでいる人とも、徹底的に向き合う信念をもった、強い人だなと思った。 人はいつどんな形で命が絶えるか分からない。 当たり前だけど、そうなんだ。 1歳の息子がいつか大きくなったら、この本をおすすめしたいな。 私はもっと早くこの本と出会えたら人生変わっていたかなと思う。いや、30代の今だから沁みるのか? とにかく、読んでみて本当に良かった。
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子どもが大きくなったら読んでほしい。戦争を経験し、その後監察医としてたくさんの人の死と向き合ってきた著者のメッセージが、たくさんの人に伝わりますように。
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死体を見る仕事と言うと、何か変な偏見を持っていた自分であるが、その人の人生 心情などを汲み取り、心から祈ってくれる人であると言うことがわかり、感動しました
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10代へ向けて書いたとあったからか、すごく読みやすかった。小学生の時、ドラマ「きらきらひかる」に憧れて監察医になりたいと思ってた(笑)監察医の苦悩、死とは何か?そして生きるとは何なのか?人生とは……。大切な事を教えてくれる素敵な本でした。
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[墨田区に予約中] 江東区図書館の「ぶっくなび(2021年3月)」にて紹介。 観察医である筆者が、見るのが辛かった遺体、冷静な医学的初見から解決した事件などの事例と共に、自職の重要さを解り易く語った本。 最も好きなドラマとして思うのは海外ドラマのBones。元々シャーロックホームズやアガサクリスティが好きでハマった推理小説や探偵小説と、病気の原因を見つけ、予防し、治療するという医者は、私の中では同じ方向にあった。ドラマでは稀な事象を更に小難しく見せてくるのかもしれないけれど事実は小説より奇なり。決してそれを誇張としない、より複雑な現実もあると思う。 本著と同時に知ったこの「14歳の世渡り術」シリーズ自体読んでみたいなと思えるラインナップではあったけれど、同様のジャンルと思われる「医者になりたい君へ」とか「14歳からわかる生命倫理」以上に本著の方に興味をひかれた。 いざ読んでみると、考えていたのとは大分異なり、筆者の自叙伝ならびに筆者の仕事との向き合い方に重きを置いて書かれた本で、"検死"や"解剖"そのものの手順とか"症例集"とも少し違っていた。そういう意味では期待とは少し方向性の異なる本だったけれど、それ以上に監察医とか命に係わる仕事とか関係なく、「人として」「親として」「子どもとして」改めて自分の気持ちと向き合い、普段意識していない大事な心持ちをしっかりと見つめ直して言語化するのにいい本だと思う。そういう意味では道徳などの授業で必読書として欲しいような本。 邦ドラマに興味がないので意識したことなかったものの近年監察医などを題材にしたものがあるのは知っていたが、恐らくこの本によればこの方の著書類が火付け役となったのかもしれない。初版の2018年で御年89歳。ただ、この方自身の成果や歩み以上に、この方の根底を育て上げた父上の偉大さが読んでいて身にしみた。よく赤ひげ先生のような、患者にとって良い医者でも、家族を疎かにしたりそのつもりでなくてもそう感じ取られて家族に疎まれ反発される方もいる(はず)。それでも両親の偉大さを感じ、素直に尊敬し、愛情もしっかりと受け止められる子供を培えた器の大きさ、これは子供をこれから産む人や、育てている人も「先に」読んでおくといいだろうな。 ■8荷(はっか)の法則 著者が文中で紹介した「警察の捜査の仕方」。但しこれは監察医という職業柄必要とか言う事ではなく、たまたまその内容が筆者の父の教えとなった、「自分の目でよく見て、頭で考えるように」というものと本質が同じであり、筆者が監察医となってから"考えるために"利用してきたこと。私が物事を考えたり言語化する際に意識する、5W1Hみたいなものだな。 いつ 時間(When) どこで 場所(Where) 誰が 犯人(Who) 誰と 共犯(≒with) なにゆえに 動機(Why) 誰にたいし 被害者(Whom) いかにして 方法(How) いかにした 結果(≒What) また、筆者が書いた本来の書?である下記のものも読んでみたいな。 「死体は語る (文春文庫)」 https://booklog.jp/item/1/4167656027
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アンビリーバボーで知った上野先生の10代に向けたエッセイです。 「死から生を見る」という言葉が心に残りました。 亡くなった人から生きている人へのメッセージ、人間関係であるべきことを学べるのだな、と思いました。
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「14歳の世渡り術」シリーズの一つ。 監察医の上野先生の著書。 『金スマ』で放送された内容とだいぶ重なっていたので、☆3。だが、とても興味深く読むことができた。一生をかけられる仕事につけるのは、幸せなことだな。
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普段馴染みがない監察医とはどんな仕事なのか?なぜ必要なのか?命の大切さ。 忘れられないエピソードなど、とても興味深かった。 若い子に読んでもらい、何かを感じ取って欲しい。
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14歳の世渡り術シリーズ。 思春期に入る子供のために、平易な語り口で人生やその職業について書かれたシリーズ。 とても読みやすい。 本著は、元監察医の話。 監察医とはどんなことをするのか、忘れられないエピソードなどを通して、生きることとはなにかを語っている。 「親子心中」の話は...
14歳の世渡り術シリーズ。 思春期に入る子供のために、平易な語り口で人生やその職業について書かれたシリーズ。 とても読みやすい。 本著は、元監察医の話。 監察医とはどんなことをするのか、忘れられないエピソードなどを通して、生きることとはなにかを語っている。 「親子心中」の話は、とても興味深かった。 ワンオペ、産後うつという言葉はなくても、昭和からあったんだ、と感慨深い。
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言葉が、頭と心にすっと染みていく心地よさがあります。 そばで話してもらっているような安心感。読書の喜びと再会できて、感謝します。 とはいえ、「生」の終点にある「死」を見つめてきたからこその出来事(事実)は大変重く、胸が苦しく涙がこぼれるときもあります。この一冊に、人生の座右の銘...
言葉が、頭と心にすっと染みていく心地よさがあります。 そばで話してもらっているような安心感。読書の喜びと再会できて、感謝します。 とはいえ、「生」の終点にある「死」を見つめてきたからこその出来事(事実)は大変重く、胸が苦しく涙がこぼれるときもあります。この一冊に、人生の座右の銘になるもの、ヒントになるものが数多く、読了後の満足度は最高です。すばらい本と出会えたことに感謝します。
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