みずうみの妻たち(上) の商品レビュー
90年代に『中国新聞』等に連載された作品の初書籍化。 簡単に言えば、湖のある街で老舗和菓子屋に嫁いだ朝子の不倫ストーリー。 浮気に開き直る夫に「フランス料理店を持ちたい」と告げ、東京の建築家・大和田に店舗設計を依頼したところから物語が展開して行く。 地方の名家に嫁ぎ、地位も...
90年代に『中国新聞』等に連載された作品の初書籍化。 簡単に言えば、湖のある街で老舗和菓子屋に嫁いだ朝子の不倫ストーリー。 浮気に開き直る夫に「フランス料理店を持ちたい」と告げ、東京の建築家・大和田に店舗設計を依頼したところから物語が展開して行く。 地方の名家に嫁ぎ、地位も名誉もお金もある暮らしだけど、こんな夫は嫌だし、朝子の行動にも全く共感出来ない。 いわゆる上流階級の人々がたくさん登場するが、その欲は尽きない。 30年前の作品で、昨年発売された『愉楽にて』の元になった様な印象。 サクサク読めるが上巻は意外性はない。
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ある意味安定の、いつもの林真理子という感じ。世間知らずで田舎のお金持ちの奥様が、都会の男にクラっと恋して不倫する話。林さんの本で、何度もこういうの読んだな...という感じでまっっったく目新しくない。出てくる人物も田舎を卑下し、都会に憧れ、傲慢で俗っぽい人物ばかり。これもまたいつもどおり。読んでいて「どうでもええわい」とシラケながら読了。下巻は読もうか......悩むな。
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湖だけが観光資源の街。 医者の家から老舗の和菓子屋に嫁いだ朝子は、その美しさもあって街の人々から常に見られる立場だ。 ボンボンの夫は東京に愛人を作り、子どももおらず、店を切り盛りする立場でもない。そんな朝子がふと思いついたのは自分の店を作ることだった…。 朝子のプライドの高さや選...
湖だけが観光資源の街。 医者の家から老舗の和菓子屋に嫁いだ朝子は、その美しさもあって街の人々から常に見られる立場だ。 ボンボンの夫は東京に愛人を作り、子どももおらず、店を切り盛りする立場でもない。そんな朝子がふと思いついたのは自分の店を作ることだった…。 朝子のプライドの高さや選民意識、自分の力で、と言いながらも夫の実家の財力に結局はモノを言わせている行動の数々。それらにとにかく馴染めず一歩ひいて読むしかなかった。 ドロドロするわけでもなく美化されるわけでもなく、といった不倫小説は魅力がないし、朝子の成長物語として読むには夫から自立したわけでもないので無理があるし…。 ちょっと不発だった。
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林さんらしいというと上から目線になってしまいますが、女性の気持ちの揺れ具合がリアルでスルスルと読み進めました。 下巻の展開は、予想通り?…
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読み始めてすぐに、 携帯電話が出てこないし、読んでいて不思議と懐かしい気分になるので なんだか変だなぁ・・・と思っていたのですが 1990年に連載された新聞小説だったんですね。 私が懐かしさを感じた要因の一つは、 たぶん小説からあふれ出るバブル感。 何十万円もするようなイタリア製...
読み始めてすぐに、 携帯電話が出てこないし、読んでいて不思議と懐かしい気分になるので なんだか変だなぁ・・・と思っていたのですが 1990年に連載された新聞小説だったんですね。 私が懐かしさを感じた要因の一つは、 たぶん小説からあふれ出るバブル感。 何十万円もするようなイタリア製のスーツに身を包み、グリーン車で東京に逢引きに出かける主人公の朝子。 一流ホテルのスイートルームに泊まり 愛車の自動車電話(!)で愛人と密会の約束を交わすのだ。 まだネットもスマホもなかった時代に、 自動車電話なんて持たないふつうの不倫カップルたちは 一体どうやって連絡を取り合っていたんだろう・・・ しばし現実を離れ、ゴージャスでキラキラした世界に浸り 浮世の憂さをはらすにはぴったりの一冊でした。 (いや、上下あるから二冊か・・・)
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みずうみの近くにある地方都市の和菓子の老舗”香泉堂”の朝子が旦那が浮気した腹いせ?にフランス料理のレストランをやりたいと言い出し、その店の設計する東京の建築士、大和田と恋に落ちる(不倫)著者のお得意の分野。 その地域のセレブな奥様たちで構成されてるみずうみの会、 その中の元CAの文恵、こっちも大和田の友だちの小説家と不倫するんだけど、そのことは薄汚いって言って、なんかこの朝子にはちっとも共感できないんだけど、あまりにいとも簡単になびきすぎで。 まっ、自分とかけ離れている世界を読むのは楽しいけど… 下巻はいよいよ、本格的に始まる予感。
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「いたいけな主婦」の物語。ある知識階層、地域階層、富裕階層の人たち(男性のみならず女性も含み)の、「(地方の)主婦を見る目」がわかったような気がして興味深い。少なくとも林真理子の周囲にいるような人たちの考え方はこんなふうなんだろうなーと思うと、いたいけな主婦の一人でもある私も複雑...
「いたいけな主婦」の物語。ある知識階層、地域階層、富裕階層の人たち(男性のみならず女性も含み)の、「(地方の)主婦を見る目」がわかったような気がして興味深い。少なくとも林真理子の周囲にいるような人たちの考え方はこんなふうなんだろうなーと思うと、いたいけな主婦の一人でもある私も複雑。
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