住職探偵 の商品レビュー
自分が一方的な悪でないことくらい、分かっている。 それでも眠れない夜があるのだ。夜明けが来ても終わらない逡巡があるのだ。焼けた鉄の塊を飲み込んでしまったかのように、離れることなく自分を蝕む痛みがあるのだ。 もう自分は、掬われないとはっきり分かっている。 けれど、思う。 (...
自分が一方的な悪でないことくらい、分かっている。 それでも眠れない夜があるのだ。夜明けが来ても終わらない逡巡があるのだ。焼けた鉄の塊を飲み込んでしまったかのように、離れることなく自分を蝕む痛みがあるのだ。 もう自分は、掬われないとはっきり分かっている。 けれど、思う。 (P.255)
Posted by
- 1