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転生!太宰治(1) の商品レビュー

4.2

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

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2021/12/31

玉川上水で自殺した太宰治が、2017年に転生した。カプセルホテル、ライトノベル、メイド喫茶、インターネット、様々な物に遭遇する様は、もちろん転生物としての楽しさがあるが、志賀直哉はじめ、数々の文豪をクサしてみたり、芥川賞のパーティーで騒ぎを起こすところが特に面白かった。太宰の作品...

玉川上水で自殺した太宰治が、2017年に転生した。カプセルホテル、ライトノベル、メイド喫茶、インターネット、様々な物に遭遇する様は、もちろん転生物としての楽しさがあるが、志賀直哉はじめ、数々の文豪をクサしてみたり、芥川賞のパーティーで騒ぎを起こすところが特に面白かった。太宰の作品を読んだ事がないので、知っていたらもっと面白かったかな。そして、芥川賞を取れなかった事から、文学界への復讐をすべく、とある計画を立てる。脳味噌を休めようと適当に読み始めたが、思った以上に面白く続きも読みたくなった。

Posted byブクログ

2021/11/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

太宰が心中し、現代に転生!まず最初にやることは…女性と出会って心中(未遂)。 カプセルホテルに宿泊し、ラノベ(主に転生もの)を読み、メイドカフェにも行き、どんどん現代になじんでいく。そしてやっぱり太宰と言えば芥川賞!転生したって積年の恨みをバネに芥川賞に挑む! 太宰に詳しくないので、志賀直哉と仲がよろしくないくだりなどなど、とても楽しく読みました!あちこちに太宰のフレーズが(たぶん)ちりばめられていて、この作家さんすごいな…と思って調べたら作家20年佐藤友哉さん、でした。初読み。存じ上げなくてすみませんでした。

Posted byブクログ

2021/09/16

まさかの太宰治視点で話が進むため、文体がとても太宰。うまい。うますぎる。見覚えのある文章があちらこちらにあり、いろんな作品から引用しているのだが、使い方が上手い。そしてものすごく笑える。太宰ファンで、かつ文ストとか好きな人には絶対おすすめの作品。

Posted byブクログ

2021/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごい太宰に寄せている文体と、時折入る史実ネタが細かい。芥川賞に固執する姿や志賀川端を敵視しているのも面白い。ののたんブログに女学生の狂気を感じる。めちゃくちゃ計算高いなぁ。 めっちゃ文ストっぽいなぁと思ったら文ストだった(笑)。太宰治をキャラクターとして扱っている文スト文アルにも触れてくるとは…。 最終的にアイドルマスターといえばアイドルマスターなのか…同人に手をだしたら駄目…あ、昔はみんな同人から始まってたな…

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2021/05/02

我らがメフィスト賞作家ユヤタンが、こんなもの(失礼)を書いていると知り、早速読んでみた。太宰治愛をとても感じる。もし太宰賞があったら絶対欲しいんだろうなと思わせる。文章は太宰に似せてとても読みづらいが愛だから仕方がない。太宰がこの作品を抹殺するために転生してくれるかもしれないので...

我らがメフィスト賞作家ユヤタンが、こんなもの(失礼)を書いていると知り、早速読んでみた。太宰治愛をとても感じる。もし太宰賞があったら絶対欲しいんだろうなと思わせる。文章は太宰に似せてとても読みづらいが愛だから仕方がない。太宰がこの作品を抹殺するために転生してくれるかもしれないので存在価値はあり。

Posted byブクログ

2020/07/23

初っ端のご都合主義すぎる展開はさておき、現代に太宰が転生したらこんな感じかなぁと思うくらいに太宰っぽく違和感のない作品でした(『人間失格』『走れメロス』くらいしか読んだことはないけど)。「生まれてすみません」が実は盗用だったり、太宰が芥川賞と並々ならぬ確執があったり、太宰の小ネタ...

初っ端のご都合主義すぎる展開はさておき、現代に太宰が転生したらこんな感じかなぁと思うくらいに太宰っぽく違和感のない作品でした(『人間失格』『走れメロス』くらいしか読んだことはないけど)。「生まれてすみません」が実は盗用だったり、太宰が芥川賞と並々ならぬ確執があったり、太宰の小ネタが満載で、お勉強にもgoodです。惜しむべきは装丁がダサい。内容も良く、挿絵カラーもとてもうまいのに、顔たる装丁が。せめてフォントだけでもどうにかならなかったのでしょうか。作者と太宰買いでしたが、おもしろかったです。 [追記] コンビニで着物姿の入水後ぐちゃぐちゃの男が突然倒れたら、とりあえずコンビニの店員に任せるか、警察を呼びません?連れ帰ります?家族もそれを「優しい娘なんですよー」と介抱する??初動に違和感しかないんですが、ラノベであってももうちょっと考えてほしかった。

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2020/06/04

高校生の頃、宿題で太宰治を読まされたのだが、苦手だった。 やたらと女性と心中しようとするは、薬を飲んでうだうだするは、なんだこれ!?と思った。だいたい私小説が嫌いだったし(今でも好きじゃない)。 まぁ、もう少し年齢が行って、自分と違う人の感じ方・考え方を味わうスキルが磨かれて、...

高校生の頃、宿題で太宰治を読まされたのだが、苦手だった。 やたらと女性と心中しようとするは、薬を飲んでうだうだするは、なんだこれ!?と思った。だいたい私小説が嫌いだったし(今でも好きじゃない)。 まぁ、もう少し年齢が行って、自分と違う人の感じ方・考え方を味わうスキルが磨かれて、その時代に思いをはせれるようになってから出会ったら、ちょっと違ったかも知れない。 この本の中で、現代に転生(むしろタイムスリップ)した太宰は、今も自分の本が読み継がれてることを知り、ただただ喜び、でも冷静になってから「人間失格」が600万部とは常軌を逸していると言う。太宰治の作品がメディアにも深く浸透し、キャラクターとして成功してると発見し、私にとっては悲劇だが、いっぽうで、太宰治にしてみれば、勝利宣言だと言う。 太宰治は、ほんとにこの本に出てくるような人だったのかも知れないと思う。読んでるうちに、にやにやしてくる。現代の空気が、妙に太宰に似合う。太宰の揺れ方やら自己プロジュース(妙なかっこつけを含む)やら、よく似た人が身近にいるような気分になってくる。もちろん、又吉さんの影響等で、今、ブームなせいもあるのだろうけど。 こんな本が書かれたと知ったら、草葉の陰で太宰治はにやっとするのではないかと思ったら、レベル1。 面白いカルチャーものに出会った時、ひょっとしたら、太宰治がプロジュースしてたりしてと思ったら、レベル2。 もしかして、清少納言とかも、アドバーザーになってたらどうしようと思ったら、レベル3。 ともあれ、よくできた本だと思います。

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2020/01/15

こんなものは太宰ファンなら誰でも書ける。でも書いたもん勝ちだ。そして面白かった。立ち読みしたとき、生まれてすみませんのエピだったので買ってしまた。佐藤友哉だし。

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2019/07/30

私の大好物のタイムスリップもの。 今回は転生になってるけどする事は一緒。 現代に戸惑い、現代に迎合しながら生きていく姿を描く。いかに面白おかしく、いかに世間に折り合いをつけて妥協していくかを読むのが醍醐味なのに今回は違う。 太宰治は転生しても太宰治なのであった。 全く世の中に適応...

私の大好物のタイムスリップもの。 今回は転生になってるけどする事は一緒。 現代に戸惑い、現代に迎合しながら生きていく姿を描く。いかに面白おかしく、いかに世間に折り合いをつけて妥協していくかを読むのが醍醐味なのに今回は違う。 太宰治は転生しても太宰治なのであった。 全く世の中に適応しようとせず、転生した途端に心中しようとする。辛くも生き延びると芥川賞受賞式に殴り込み。摘み出されても全く懲りない。 挙句、心中騒ぎで知り合った美人女子高校生のゴーストライターになり芥川賞を獲ろうと目論む。 全く太宰治らしい。 いや太宰治の人間性は全く知らないんだけど太宰治ならさもありなんと思わせる筆力が凄い。 続編もあるのね。早く読まなきゃ!

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2019/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歴史上の人物であるxxxが現代に蘇ったら?という物語はいろいろあるだろうけど、これもその一つ。 太宰治で読んだのは人間失格くらいかも。詳しいことは知らない。だけど太宰のなんとなくの、弱った感じの人というイメージはある。なので、実際の太宰ってこんなに暴走する人物だろうか?と思った。でも、おもしろかった。太宰 meets メイドカフェ&地下アイドルはナイスアイデア。いい意味でふざけ切ってるし、著者も楽しんで書いてるに違いない。太宰に詳しい人ならもっと楽しく読めたかも。特に、乃々夏を作家に仕立てようとし始めた辺りがよかった。乃々夏イメチェン後のブログで笑った。初期の松尾スズキのエッセーがこんな感じだった。こういう軽い感じのふざけた小説をもっと読んでみたい。 読む前、この表紙は何なんだ?ふざけてんのか?と思った。しかし実際ふざけてるから問題ないというか、むしろこの絵で正解かもしれない。本文中にもこのテイストの挿絵が一つだけあったけど、もっとあっても良かったくらいだ。

Posted byブクログ