風景論 の商品レビュー
(01) 特に第1章「風景の誕生」は風景やランドスケープを学習する際に手引きとして一読しておきたい内容を含んでいる。 オランダの干拓の平面性と図や絵のおこり、掘ることや刻むこと、そしてフォトグラフの一方の原義でもあるグラフィーとの関連などは重要な指摘であるといえる。 第2章の偽装...
(01) 特に第1章「風景の誕生」は風景やランドスケープを学習する際に手引きとして一読しておきたい内容を含んでいる。 オランダの干拓の平面性と図や絵のおこり、掘ることや刻むこと、そしてフォトグラフの一方の原義でもあるグラフィーとの関連などは重要な指摘であるといえる。 第2章の偽装や地貌や、第6章の広場と許容、第7章の地名や殺風景のトピックも合わせて考えたい問題系ではある。 本書には多くの写真が収められている。風景写真とも報道写真といった類別を拒むような写真で、もちろんそれらは著者の撮影によるものである。話題は、海外、国内、過去も未来も、都市も山野(*02)も、また海にも砂漠にも宇宙にも及ぶ。わりあいに知られていない地名や人名も登場し、本書が置かれたフラットな立場を見ることができる。 (02) 第3章の魚付林の話題でピックアップされたフルボ酸と磯焼け、腐植物錯体鉄が示す海と山の関連が敷衍されたとき、日本列島のより人工的な「風景」の形成過程が捉えられるかもしれない。
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なぜ私たちは風景に魅了されるのか? 風景の誕生、自然、社会、国家、技術革新、「人新世」、写真――。新しい文明論の幕が開かれる
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