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税務頭を鍛える本 の商品レビュー

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2020/11/08

本書では税務の現場において課税庁側と納税者側とで意見対立した場合、課税庁側の主張に対して的確に自己の主張を構成し、解決していく方法が解説されている。税務の問題に対する考え方を中心に解説されているが難易度の高いところもあり上級者向けの書籍。ただ根気よく読めば力がつくと思われる。 P...

本書では税務の現場において課税庁側と納税者側とで意見対立した場合、課税庁側の主張に対して的確に自己の主張を構成し、解決していく方法が解説されている。税務の問題に対する考え方を中心に解説されているが難易度の高いところもあり上級者向けの書籍。ただ根気よく読めば力がつくと思われる。 P137 支分権と基本権の関係を、別の例で確認してみましょう。 基本権たる年金受給権と支分権たる受給権との関係と同様の例として、分割返済される利付貸付債権があります。分割返済される貸付債権は、弁済期が到来するまで債務者に対して具体的に請求できませんが、弁済期の到来によって貸付債権の一部が具体的に請求可能となります。 弁済期限が到来した部分の貸付債権は、弁済期限が未到来であった時点での貸付債権の一部が実際に請求できる債権になっただけであり、弁済期限が未到来であった時点での貸付債権と同じ債権であることは明らかです(貸付債権を分割しただけ)。もっとも、利息債権は時間の経過とともに発生した権利であり、貸付債権とは別の債権になります。 なお、貸付債権の場合は、請求可能となった債権の元本部分は支分権とは呼ばれず、利息債権のみ支分権と呼ばれます。 以上のように、基本権たる年金受給権と支分権たる受給権の差は、単に年金支払日が到来しているか否かの違いにすぎず、両者は法的にも同じであるといえます。したがって、「基本権」、「支分権」という違いは、単なる呼び名の違いにすぎず(例えば、カットする前のケーキを「ホール」と呼び、カットされたケーキを「ピース」と呼ぶことと同じ)、財産としての同一性という点において、本質的な違いではありません。

Posted byブクログ