天人唐草(文庫版) の商品レビュー
明日からの出張が暑くて嫌だな……。 ってな事で、山岸凉子の『天人唐草』 天人唐草 ハーピー 狐女 籠の中の鳥 夏の寓話 の5つの短編漫画。 姐さんが読んでたのが気なって即借り どれも物悲しいく切ないちょっと怪談っぽい内容。 丁度この季節に読むのがええかもね 文庫の漫...
明日からの出張が暑くて嫌だな……。 ってな事で、山岸凉子の『天人唐草』 天人唐草 ハーピー 狐女 籠の中の鳥 夏の寓話 の5つの短編漫画。 姐さんが読んでたのが気なって即借り どれも物悲しいく切ないちょっと怪談っぽい内容。 丁度この季節に読むのがええかもね 文庫の漫画は文字が小さ過ぎて老眼の始まりを感じたのが一番の恐怖w 2018年57冊目
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2018年に出た新装版。中島らも氏の解説、山岸凉子さんのインタビューを含む門田恭子氏の解説が付く。トラウマ漫画の古典となった表題作を始め読んだことのある短編ばかりだが、やはり怖い。きえー!
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〇追いつめられたその先の狂気はかなしい。 「天人唐草」 厳格な父親のもと自分を抑えつけていた岡村響子は人との関わることが出来なくなっていた。父親が亡くなりその秘密にふれて、自由になる。 ←なんとも辛すぎる 「ハーピー」 その美しい転校生からは死臭がした。 ←壊れていくお話。 ...
〇追いつめられたその先の狂気はかなしい。 「天人唐草」 厳格な父親のもと自分を抑えつけていた岡村響子は人との関わることが出来なくなっていた。父親が亡くなりその秘密にふれて、自由になる。 ←なんとも辛すぎる 「ハーピー」 その美しい転校生からは死臭がした。 ←壊れていくお話。 「狐女」 名家に引き取られた子ども。 ←1度だけ、“子ども”に戻るチャンスがあったのだけど…。母も被害者か…。 「籠の中の鳥」 トリと呼ばれていた鳥人の最後の飛べない少年。祖母が亡くなり、ある男性に町に連れ出される。 →飛ばなくてもよいと言われて。ハッピーエンドが沁みる。 「夏の寓話」 叔父夫婦の留守を任された澄生は、ある少女とであう →ヒロシマへのレクイエム。
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『失敗は恥ずかしいことではないとだれも教えてくれはしなかった』 『こうして彼女は他人とコンタクトをとるわずらわしさより無関心をよそおう楽な道のほうを選んだ』 『女としてのつつましさという大義名分のかげにかくれてなんら積極的な態度をとらなかった響子にとってそれは当然の結果だった』 「お父さまにはもう10年近くもお世話になっています こんな形でお会いしたくなかったんですが…」 (10年…というとお母さんが生きていた時から……) 今目の前にいるその女性は父が響子にこうあってはいけないといい続けていた女性そのものだった。娘にはこうあってはならないといい含めながら…自分が男として望んだ女はそれと正反対のものだった。 失敗を素直に申告するとか、他人とコンタクトをとるとか、小さいことなんだけどやらないと社会では崩れてくなと。
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最初によんだのは19才頃かな もう主人公に共感しか無かった。 自分は彼女より多少器用だから生きてこれたけど 毒親と言う言葉もない時代ですよ。 これ読んで本当に救われた。叱咤激励された。 私だけじゃないんだ。 がんばろうかな〜(弱め と、思いましたはい
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「天人唐草」読了。短編集。「 薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記―」にここから山岸凉子は変わったとあるので、興味が湧いて買ってみた。山岸凉子で読んでいるのは「日出処の天子」「アラベスク(序盤のみ)」くらいか。表題作。所謂毒親であろうが、作者の視線はそこか...
「天人唐草」読了。短編集。「 薔薇はシュラバで生まれる―70年代少女漫画アシスタント奮闘記―」にここから山岸凉子は変わったとあるので、興味が湧いて買ってみた。山岸凉子で読んでいるのは「日出処の天子」「アラベスク(序盤のみ)」くらいか。表題作。所謂毒親であろうが、作者の視線はそこから飛び立つ気骨を持たぬ主人公に厳しい。
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2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの父親は、子育ての方針を訊かれて「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えたという。ひるがえって、山岸凉子の超弩級トラウマ漫画『天人唐草』のヒロインである岡村響子は、幼いころから「翼を折られつづけてきた娘」だ。生来は快活な少女だった響子は、封建的家父長制の権化のような父親から、ことあるごとに、 「女の子のくせに〇〇するなんて、みっともない」 「女の子なんだから〇〇しなければ、恥ずかしい」 と抑圧されつづけた結果、他人の顔色をオドオドと窺う主体性のない女性に育ってしまう。社会に適応できず、家事手伝いの名のもとに実家にひきこもる生活を送っていたが、経済的にも精神的にも依存していた父が急死し、はじめて父の愛人の存在を知る。その愛人は、父が響子に「こういう女になってはいけない」と戒めてきた女性像そのままの、華やかでセクシーな女性だった。妻や娘には貞淑な女であるよう命じながら、男としては奔放な女を求めたのだ。父のダブル・スタンダードに自我を見失った響子の心は崩壊し、そして……。 「毒親育ちの生きづらさ」と今なら一言で伝わるけれども、この作品が書かれた1979年当時、そんな言葉は存在しなかった。もちろん言葉がなかっただけで、もやもやとした胸のわだかまりは多くの人が抱えていたはずだ。だからこそ、そのもやもやに形を与えてリアルに描き出してみせたこの作品は、時代を越えて読み継がれてきたのだろう。40年も前に、こんな斬新かつ普遍的な漫画を描いた作者と、この問題作を「週刊少女コミック」に掲載した編集者とに敬意を表したい。 他の4篇も秀作ぞろいだが、やはり『天人唐草』のインパクトは一頭地を抜いている。物語として高い完成度を誇りつつも、ある意味オープンエンドとなっているところが良い。その後の響子はどうなったのか。狂気の中で生きたか、自殺したか、よき理解者に恵まれて本来の自分を取り戻したか、中途半端に治療されて自分も毒親と化したか…。2019年現在、生きていれば70歳になるはずの響子の、その後の人生を考えてみるのも味わい深い。
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大傑作。言葉を失ってしまうくらい凄い。わたしがわたしであることの足場がなくなってしまうこと/もともとそんなものはなかったことを冷酷に突き詰めて描いているためひたすらに恐ろしく、悲しいが、現実で自らの足場を見失わないために、このような物語こそ何度も読み返され、参照されるべき必然性が...
大傑作。言葉を失ってしまうくらい凄い。わたしがわたしであることの足場がなくなってしまうこと/もともとそんなものはなかったことを冷酷に突き詰めて描いているためひたすらに恐ろしく、悲しいが、現実で自らの足場を見失わないために、このような物語こそ何度も読み返され、参照されるべき必然性がある。「花の24年組」というくくりの本物の重みを実感し続けるここ数年だ。
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標題作を含む5編からなる自選作品集は、どれもが昭和50年代に描かれたものでありながら、全く古びない。 標題作は、厳格な父と貞淑な母に育てられ、不器用にしか生きられない娘・響子がたどる狂気への道を描く。 今では毒親と称されるかもしれないこの昭和の父親像には、響子に我が身を重ねてしまい、ひたすら辛かった。 どの作品も、この世界を前にして生き迷う子供たちをテーマとし、その紙一重の狂気が背筋を寒くする。最後まで主人公に安易な逃げ場所を与えないところも山岸涼子ならでは。そう、現実は厳しいのだ。 「道しるべはない。それが正しい。とてつもなく正しいと思う。」中島らもさんの解説が秀逸。
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