メーラーデーモンの戦慄 の商品レビュー
2018年104冊目。シリーズの集大成と言わんばかりに、過去作の登場人物が大集合し、シリーズをなぞりながら進む解決編はファン垂涎ものです。そっちに力が入り過ぎてて、本筋の印象が弱まってしまってるのはご愛嬌。
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そいつからメールが届くと一週間後に死ぬ。 ホラーじみたシリアルキラーと探偵の対決は早坂ファンに捧げられた推理合戦へと発展する。 謎解きが救済になる事と、謎解きが愉しい事を重ねる。 誰かによって解かれるも良し、でも自分の手で解けたとき、それはとても得難い体験になる。 三つくらいの...
そいつからメールが届くと一週間後に死ぬ。 ホラーじみたシリアルキラーと探偵の対決は早坂ファンに捧げられた推理合戦へと発展する。 謎解きが救済になる事と、謎解きが愉しい事を重ねる。 誰かによって解かれるも良し、でも自分の手で解けたとき、それはとても得難い体験になる。 三つくらいの意味で今までの集大成っぽい作りなのでお祭り感を存分に味わう。 相変わらず、いろいろ組み込むのが上手。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
かなり呆れた『双蛇密室』に続く、上木らいちシリーズの新刊が届けられた。何だかんだで気になるこのシリーズ。今回も呆れさせてくれるのか。 ミステリ界屈指の曲者である早坂吝さんだが、ドローンやAIなど、最新の技術トレンドを取り入れる柔軟性は、特筆すべきだろう。そんな早坂さんであるから、このようなネタの料理はお手の物。どのようなネタかは伏せておく。 前作の事件でショックを受けた藍川は、警視庁を長期休職し、自分探しの旅に出る。たどり着いたその館は…こんなところであの作品と繋がっていたとは。それはともかく、藍川不在の中、連続殺人事件が世間を騒がせていた。 ターゲットに予告メールを送りつけた後に、殺害するという犯人のやり口。ところが、そのターゲットの条件というのが…。該当者は限られるため、情報の出所はすぐ判明する。おいおい、そんな不祥事、今どき情報セキュリティ研修の事例にも載っていないだろう。しかし、そこは曲者の早坂吝、これで終わりのわけがない。 ライバルであるはずの3大キャリアトップの、奇妙な関係。実際のドコモ、ソフトバンク、auのトップは、たぶん仲が悪いだろう。社名こそ実際とは変えているものの、この人のモデルはやっぱりあの人なのかと苦笑してしまう。 うーん、この勘違いはちょっと苦しいか。動機の面は短絡的だが、大手キャリアの本音も、当たらずといえども遠からずなのだろうか。それはともかく、今回もエロ全開の推理と真相に、ああこれが上木らいちだね、と思ってしまった。 今でも根強い需要がある、「あれ」。不便が多いかと思えば、その不便さがメリットだという声もある。自分も含めて大多数の、便利さを享受している人たちは、そもそも幸福なのか。よくないとは自覚しつつ、もう引き返せない。 おかしいな、何だか考えさせられてしまった。そういうシリーズではないのに。
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