牧水の恋 の商品レビュー
この前に1980年代の評伝を読んでいたため最近のも読みたいと思い購入。前者が生涯に渡ってだったのに対し園田小枝子との恋にフォーカスし、その時に発表された作品をからめながら牧水の心情に迫るので此方も色々と感じるものがありました。 短歌鑑賞に疎いため、読み方や受けとり方を説いてくれて...
この前に1980年代の評伝を読んでいたため最近のも読みたいと思い購入。前者が生涯に渡ってだったのに対し園田小枝子との恋にフォーカスし、その時に発表された作品をからめながら牧水の心情に迫るので此方も色々と感じるものがありました。 短歌鑑賞に疎いため、読み方や受けとり方を説いてくれて評伝と一緒に牧水の歌もよく理解して読めてよかったです。筆者の俵万智先生の素直な感想、「私自身も椅子から転げ落ちるかというくらい驚いた」「惚れてまうやろ!」に「そうそう!」と共感しながら楽しんで読めました。 にしてもなかなかな……なかなかな恋でした……
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ややさんの本棚から♪ 白鳥は…素敵な歌ですね。 俵万智さんが、こんな本を出していたとは。なんだかスリリングな本みたいですね。
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まさに一生一度の恋 人妻ということを隠していたために 牧水との最後の一線を超えるまでが 長い長い・・・ 髪をかきむしってもだえる牧水の姿が 歌から見えて可哀想 その突っ走りぶり 嫉妬や苦悩に たじたじとなります
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面白かったです。若山牧水の恋について赤裸々な部分についても論じられているのが凄い。 あの青い中に居る白鳥は二羽か三羽なんだろうなって後半読んでいてはっとさせられました。 恋に破れ酒に溺れ旅に逃げて 数々の歌が出来たのだと考えると 短歌を味わうことが出来る私達は幸福ですが やは...
面白かったです。若山牧水の恋について赤裸々な部分についても論じられているのが凄い。 あの青い中に居る白鳥は二羽か三羽なんだろうなって後半読んでいてはっとさせられました。 恋に破れ酒に溺れ旅に逃げて 数々の歌が出来たのだと考えると 短歌を味わうことが出来る私達は幸福ですが やはりもっと幸せな出会いがなかっただろうかと 考えさせられました。 人生とは恋とは複雑なものですね。 俵万智さんの文章はとても読みやすい。 若山牧水が気になる人は是非お買い求めください。
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山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君 主に、青年期の熱烈な恋愛を短歌作品の評釈、手紙などの資料を交え、牧水の恋の行方を辿っていくというもの。 晩年、酒を愛し、旅を愛した若山牧水。 幾山河越え去り行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく エピローグに、こ...
山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君 主に、青年期の熱烈な恋愛を短歌作品の評釈、手紙などの資料を交え、牧水の恋の行方を辿っていくというもの。 晩年、酒を愛し、旅を愛した若山牧水。 幾山河越え去り行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく エピローグに、この歌がでてくるのも切ないというか、なんだか頷ける。
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恋に溺れ、酒に溺れ、その酒に体を蝕まれ、43歳でこの世を去った若山牧水。この著作はそんな牧水の恋に焦点を当て、彼の創った短歌とともに、手紙や研究書から、その喜びと苦悩をひも解いていく。 まぁ、こんな人近くにいたらひくな、といったタイプの人です。恋は盲目、みたいな感じを文字通り...
恋に溺れ、酒に溺れ、その酒に体を蝕まれ、43歳でこの世を去った若山牧水。この著作はそんな牧水の恋に焦点を当て、彼の創った短歌とともに、手紙や研究書から、その喜びと苦悩をひも解いていく。 まぁ、こんな人近くにいたらひくな、といったタイプの人です。恋は盲目、みたいな感じを文字通り突っ走ったわけで、このような生き方はうらやましいと思う反面、多くの人は「ここまでは無理」と感じるのではないでしょうか。 しかしながらですね、そうしたある意味直情的であり、彼が恋した小枝子という女性に病的にどっぷりはまってしまったからこそ、多くの短歌の傑作が生まれたといえるのでしょうね。例えば作曲家のモーツァルト、社会規範にとらわれず性格的に破綻していた彼だからこそ、この世のものとは思えない極上の音楽を生めたように。 短歌に触れたのは、正直中学高校の国語の授業以来で、こうした作者の実生活、実像とともに作品を眺めると、やはり味わい深いというか、面白いというか、牧水の場合共感とまでいかないまでも、その胸のうちがよりこちらに迫ってきました。特に後半期、小枝子との恋にやぶれてからの歌の方が、なんだか普遍性みたいなものを感じて、じわっとくる感じが強くありました。
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若き日の若山牧水と恋人小枝子との恋を、歌人である俵万智さんが綴った評伝文学。牧水の評伝とは少し離れ、俵万智さんと牧水との出会いを語っている、第四章の「牧水と私」をいちばん興味深く読むことができた。
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歌人俵万智による、若山牧水の評伝。 恋の歌を詠む酒好きの放浪の歌人として、ピュアなイメージのあった牧水。学生時代、夫も子どももいる女性と出会い翻弄され、それを生涯引きずる姿は、どこか哀れだ。自らの恋愛を赤裸々に歌にしているが、手に入らずに思いを募らせていた時期が、いちばん幸せだ...
歌人俵万智による、若山牧水の評伝。 恋の歌を詠む酒好きの放浪の歌人として、ピュアなイメージのあった牧水。学生時代、夫も子どももいる女性と出会い翻弄され、それを生涯引きずる姿は、どこか哀れだ。自らの恋愛を赤裸々に歌にしているが、手に入らずに思いを募らせていた時期が、いちばん幸せだったのかもしれない。 社会現象にもなった歌集『サラダ記念日』から、はや30年。作者と同世代の私は、きらきらと弾ける恋心の詰まった歌集も好きだったので、自身の歌のところどころに牧水の影響が見えるという自己分析も興味深かった。作者の文章は、評伝でも相変わらず親しみやすい。 普段、小説以外はほとんど読まないため、このような評伝を読むと、学生時代にレポートや卒論のために資料を読み漁っていた頃を思い出す。さらには、作品に登場した佐々木幸綱先生にもお世話になっていたため、懐かしい気分を味わいながらの読書となった。
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若山牧水の基礎情報がないまま読んだため分かりづらい部分もあるが、歌の解説としても楽しい。 白鳥は・・・くらいしか知らなかったけれど、背景を知るとより牧水が好きになる。単なる酒飲みじゃなかった。 読み終えた後、恋はいつ終わるのだろうか、という問いに胸が締めつけられる。
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俵さんの文章がわかりやすくてよかった。この一冊を書くためにはたくさんの資料を集めた調査が必要だったと思います。その情熱も併せて値打ちのある一冊です。
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