砂漠の空から冷凍チキン の商品レビュー
湾岸戦争、および米軍撤収後のテロリズム吹き荒れるイラク情勢を題材に取ったノンフィクション風小説。 まず、2018年に「日本タイトルだけ大賞」(初耳!)にも選ばれた邦題からどことなく醸し出されるポップさ・可笑しみを纏った印象は早々に打ち砕かれること必至。 「援助物資が空中投下さ...
湾岸戦争、および米軍撤収後のテロリズム吹き荒れるイラク情勢を題材に取ったノンフィクション風小説。 まず、2018年に「日本タイトルだけ大賞」(初耳!)にも選ばれた邦題からどことなく醸し出されるポップさ・可笑しみを纏った印象は早々に打ち砕かれること必至。 「援助物資が空中投下され」(p68)「パレットのいくつかは、着地するのにクルド人のやわらかな肉体を緩衝材代わりにし、下敷きにされた者たちは命を落とした。」(p72)「逃げ惑う姿は、まるで野放しのボーリングのピンのようだった。」(p73) ただでさえ飢えに苦しむ支援頼りの状況下で、支援物資のチキンに押し潰されて尚死亡してしまうという、皮肉と言うには余りある言葉にならない描写。 そしてこれらは「実際に起きたこと」(p514・謝辞より)であるという。 現状、大半の日本人にとって’戦争’は遠い話である訳で、報道やSNSで情報を得るパターンが大多数かと思うが、結局のところ「おれたちはなにかを見ていて、それがなにを意味するかわからない」(p323)のである。 情報発信源が信頼のおけるものか。 情報の真贋の見極め。 情報理解に知らず知らずバイアスがかかっていないか。 戦争に限らず何事に於いてもそうだが、実体験に勝るものはないという事だろう。 さて、作品としては本格的なサスペンスとも呼びにくく、手に汗握るアクションがある訳でもなく、戦争小説ともサバイバル小説ともヒーロー小説とも違うような、なんとも言えない読み心地。 上述の『冷凍チキン』の部分だけが精細過ぎて、却って浮いて見えてしまった印象。 1刷 2022.5.7
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難しいかな。200~300ページくらいなら良かったけどこの内容で500ページはしんどい。あと好みの問題だけどつまんないアメリカン(?)ジョークが多くてちょっと。。
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星四つ。星五つは生涯ベストテンにのみ付与なので、実質的に最高の評価。 面白かった。 表題はくだけた感じがするが、本を読むとその実は余りに悲惨で衝撃を受ける。 作者のコスモポリタンで、公平かつ優しい視点が伝わるのだが、難民達の様子の記載が余りにリアルで、余りに悲惨な状況がダイレクト...
星四つ。星五つは生涯ベストテンにのみ付与なので、実質的に最高の評価。 面白かった。 表題はくだけた感じがするが、本を読むとその実は余りに悲惨で衝撃を受ける。 作者のコスモポリタンで、公平かつ優しい視点が伝わるのだが、難民達の様子の記載が余りにリアルで、余りに悲惨な状況がダイレクトに伝わるため、読み続けられず、本を置く事が数多あった。冷凍チキンのくだりは、読みながら吐きそうな気分にまでなってしまう臨場感。 ただ、最終的には前向きなカタルシスが待っている。 この作者、前作の「白夜の爺スナイパー」も素晴らしく、当分、新作に目を光らせなければならない作家となった。
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タイトルとイラストからのイメージのギャップが激しい。 内容は重いけど、重さを感じさせへんのはうまいなっと。
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表題とカバー裏の紹介文を読んで、こんな感じかな?と思いながら手にとって読み始めたら…… 方向が全然違ってた。浮かぶイメージはなんじゃらほいだったり緊張する場面だったりするのに、その場所での現実には目で見えるもの以外の想いに溢れていた。 原題は THE GIRL IN GREEN...
表題とカバー裏の紹介文を読んで、こんな感じかな?と思いながら手にとって読み始めたら…… 方向が全然違ってた。浮かぶイメージはなんじゃらほいだったり緊張する場面だったりするのに、その場所での現実には目で見えるもの以外の想いに溢れていた。 原題は THE GIRL IN GREEN 邦題は一番 はい? と 思ったシーンで 目的にために手段を選んでいられないのかとも感じた。インパクトはある け ど
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