『碧巌録』を読む の商品レビュー
『碧巌録』とは、北宋初期の雪竇重顕が古則百則に対して頌をつけた公案集に、北宋晩期の圜悟克勤が垂示・著語・評唱を加えた禅の教本である。「宗門第一の書」と称され、日本の禅にも多大な影響をあたえた。重層的な構造わ有する禅教本の最高峰を、本書では、言語による言語の解体行為という視点から、...
『碧巌録』とは、北宋初期の雪竇重顕が古則百則に対して頌をつけた公案集に、北宋晩期の圜悟克勤が垂示・著語・評唱を加えた禅の教本である。「宗門第一の書」と称され、日本の禅にも多大な影響をあたえた。重層的な構造わ有する禅教本の最高峰を、本書では、言語による言語の解体行為という視点から、精緻に読み解いて行く。読者を巻き込みながら自在に展開する「文字禅」の世界とは何か。その魅力を平易に伝える画期的な入門書。
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一般に不立文字といわれる禅について、『碧巌録』の読解をとおし、言葉から考えてみる、という内容。 ・公案は、言葉を使って、われわれの日常的な言語の虚偽性、虚構性というものを明らかにして、それを解体する働きを言葉に持たせる。P58 ・凡夫も悟った人も「山は是れ山、水(川)は是れ水」に...
一般に不立文字といわれる禅について、『碧巌録』の読解をとおし、言葉から考えてみる、という内容。 ・公案は、言葉を使って、われわれの日常的な言語の虚偽性、虚構性というものを明らかにして、それを解体する働きを言葉に持たせる。P58 ・凡夫も悟った人も「山は是れ山、水(川)は是れ水」に違いないが、「山は山に非ず、水は水に非ず」180度の否定の世界を経る・経ないは大違い。360度に達してさえいても、そこに安住することは否定される。360度にいたっても完結しない前進こそ『碧巌録』の真骨頂。P248
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