沖縄の淵 の商品レビュー
岩波現代文庫 鹿野政直 「沖縄の淵」 伊波普猷 評伝 伊波普猷 は 琉球文化の研究を通して沖縄の人々に 琉球民族の自覚と琉球文化の独自性を啓蒙した知識人 伊波普猷の弱者戦略と図書館を使った啓蒙教育は、民族と文化を守る意味で 最良の方法だと思う 琉球処分や日琉同祖論の...
岩波現代文庫 鹿野政直 「沖縄の淵」 伊波普猷 評伝 伊波普猷 は 琉球文化の研究を通して沖縄の人々に 琉球民族の自覚と琉球文化の独自性を啓蒙した知識人 伊波普猷の弱者戦略と図書館を使った啓蒙教育は、民族と文化を守る意味で 最良の方法だと思う 琉球処分や日琉同祖論の肯定的な受け取りかたは、朝鮮民族やアイヌ民族とは 異なる態度だが、それらを琉球民族と琉球文化を守る目的のための手段と捉えた弱者戦略であるように感じた。強いから生き残るのでなく、賢いから生き残るとは このことを言うのだと思う 図書館と自身の著作を通して、沖縄の人々に主体性を与え、精神革命の布教を行っている。「おもろ」を 琉球の聖典と位置づけ、古い時代から琉球が独自の文化と政治の独立制を持っていたことを論じている 名言「地球上で帝国主義が終わりを告げる時、沖縄人は「にが世」から解放されて「あま世」を楽しみ、十分に個性を活かして、世界の文化に貢献することができる」 伊波普猷が県立図書館を啓蒙の拠点とした点としている点は興味深い *図書館は学校外の教育機関 *読書によって人間らしい人間を造る場 *先生はおらず、館長も司書も一個の生徒、同窓生である場 *図書館を郷土史料の宝庫、郷土研究の中心にする *伊波普猷の後も島袋全発に方針は引き継がれた
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1 世替りを受けとめて 2 新知識人の誕生と帰郷 3 『古琉球』 4 精神革命の布教者 5 転回と離郷 6 「孤島苦」と「南島」意識 7 「父」なるヤマト 8 亡びのあとで 著者:鹿野政直(1931-、大阪府、日本史) 解説:八重洋一郎(1942-、石垣市、詩人)
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