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フランス人の性 の商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

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2024/09/18

特定の国について語る本は、例えばフランスについてでも日本についてでも、個人の解釈に立して書かれているのだと忘れずに読むべきだと思うし、ややタイトル倒れなところはあるが、フランスの歴史や宗教が性を中心に語られるのが興味深い。とくに冒頭の性教育についての日仏の違いは学びがあり面白かっ...

特定の国について語る本は、例えばフランスについてでも日本についてでも、個人の解釈に立して書かれているのだと忘れずに読むべきだと思うし、ややタイトル倒れなところはあるが、フランスの歴史や宗教が性を中心に語られるのが興味深い。とくに冒頭の性教育についての日仏の違いは学びがあり面白かった。ただセンシティブな主題だけあって、全面的に両手を挙げて賛同できる訳ではなく、疑問に思う部分もあった。

Posted byブクログ

2024/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

友人とお薦め本を交換した結果、巡り合った一冊。 とても読みやすい文体で、サラッと読むことができた。 特に序盤は、カルチャー・ショックを感じることのできるキャッチーな事例が多く、飽きない内容だった。 そんな本書は、二つの捉え方から全く別の評価をすることができる。 一つは、異文化理解という大きい括りの一例というたてつけで、フランスという地域/性というテーマをピックアップした本として。 もう一つは、タイトルから最初にイメージされる通り、フランスの視点からジェンダー論に切り込む本として。 前者の場合はとても高く評価できる一方、後者の場合は賛同しかねる部分もそこそこあった。 最初に述べた通り、序盤はカルチャー・ショックの連続である。 フランスは欧州の先進国で、200近い国々の中では、比較的日本と感覚が近い国だと想像しがちではないだろうか。 でも、この本を読むと(特にどこかが言及はされているわけではないが)アフリカの奥地や、名前も知らない島嶼国の方が、ある側面においては日本と似てるのではないかと思わされる。 誰かにとっての普通/当たり前/常識が、自分とは大きく異なる可能性に、想像力をはたらかせるきっかけとなるような良書だ。 一方で、ジェンダー論の視点に立つと、首を傾げざるをえない部分も散見される。本書(及びフランス)は、性に関する自由をかなり尊重しているが、その陰で苦しんだ人の声に関する記述はごく僅かである(終章のレイプに関する節の数頁など)。 その意味では少しだけ不安を感じる一冊でもあった。 さて、副題である「なぜ「#MeToo」への反対が起きたのか」という問いに関しては、本全体で徐々に明らかにしていくというよりは、フランスにおける性文化を様々な事例から理解していくことで、ふわっと納得するようにし向けているような構成だ。 ただ、答えっぽいものを強いて挙げるなら以下の部分だろう。(少し長いがご勘弁...) 「フランスでは、男女という違った性を持つ存在が、同じ時間を過ごすことで起こる行き違いやちょっとしたアクシデントを法律で一掃するのではなく、酸いも甘いも噛み分けた大人になるためのステップの一つだと考えてきた。そして、時にそれを楽しむこともあった。だから、その「違い」がなくなることを恐れる。男女平等教育に対して簡単に「いいね」とは言わないし、少々の不平等やセクハラだって我慢する。そういったことよりも、「遊び心のある色気のある社会」をこれまで求めてきた。それゆえ、「セクハラ」「ちょっとエッチな冗談」「ナンパ」「真剣なアプローチ」の線引きが難しくもある。そのようなまさに男女関係のグレーゾーンを、法で規制しにくい国でもある。」 (134-135頁) このように抜き出されても、は?ってなるかもしれない。特に、欧米における主流のポリティカル・コレクトネスに触れてる身としては。 でも、本書全体を通して紹介される事例が、じわじわと自分の中に蓄積していくと、同意はしなくても一定の理解を示すことはできるようになる。 これが、他者を知るということなのだろう。 (なお、第1章から終章まで、全5章構成だが、個人的にはフランスの性教育について書かれた第1章が最も面白かったし、日本も見習うべき視点が多かったように思う。 一方で第2章以降は、歴史的視点を交えて、上述したフランスにおける性文化の背景を説明している内容が多いのだが、少し言い訳っぽくも聞こえてしまったのが正直なところ。)

Posted byブクログ

2023/09/11

フランスでは事実婚、再婚などカップルのかたちが多様化しているからこそ、カップルであることの意味を考える。男女平等、女性の権利の主張が強い今だからこそ、立ち止まってもっと柔軟に性について考えるのは、これからの幸福を考えたとき、プラスになると思う。 「人の心は移ろうもの」という考え方...

フランスでは事実婚、再婚などカップルのかたちが多様化しているからこそ、カップルであることの意味を考える。男女平等、女性の権利の主張が強い今だからこそ、立ち止まってもっと柔軟に性について考えるのは、これからの幸福を考えたとき、プラスになると思う。 「人の心は移ろうもの」という考え方は、自然なことだし忘れないでいたい

Posted byブクログ

2023/02/11

背景にある宗教の説明もあり、でもジェンダー論というほど堅苦しくなく、そして白黒で評価できない、良く言えばポエティックなフランスの性に関する考え方がなんとなくわかってよかった。(実際行ってみないとなんともいえないけど) 近年ポリティカルコレクトネスが声高に叫ばれる中で、女性として不...

背景にある宗教の説明もあり、でもジェンダー論というほど堅苦しくなく、そして白黒で評価できない、良く言えばポエティックなフランスの性に関する考え方がなんとなくわかってよかった。(実際行ってみないとなんともいえないけど) 近年ポリティカルコレクトネスが声高に叫ばれる中で、女性として不快に感じることが減ったことも事実、逆に窮屈に感じることが増えたことも事実(あ、こういう発言って今はしちゃダメなんだよね?ヘラヘラ系の態度もどうかと思うし)。ハッシュタグ的な大衆ムーヴメントに飲まれるのではなく、自分自身がどう在りたいかを考え選択していきたい。(#BalanceTonPorc(←Emily in Parisでも触れられていた)があまり積極的に受け入れられなかった背景に大戦中の密告の記憶があるのではないかというのも、一つの考察として面白かった)

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2021/10/05

歴史や宗教・政治体制、教育・文化的背景などから、フランス人の性に対する捉え方を多角的に読み解くという内容。 著者の息子さんとの性トピックに関するエピソードが掴みになっているのも、新米ママの私としては興味が湧きやすかった。 宗教観による性欲の罪意識、騎士道恋愛による三角関係、奔...

歴史や宗教・政治体制、教育・文化的背景などから、フランス人の性に対する捉え方を多角的に読み解くという内容。 著者の息子さんとの性トピックに関するエピソードが掴みになっているのも、新米ママの私としては興味が湧きやすかった。 宗教観による性欲の罪意識、騎士道恋愛による三角関係、奔放な宮廷恋愛…歴史の流れも踏まえられており、おもしろかった。 フランス人の性には、自由=やりたい放題 ではなく、自由=他者への責任や連帯の義務を伴う という考えを土台にした民主主義的な枠組みがあるように思える(引用p.173) 科学的合理性と人間の理性や非合理性について述べている部分は、性というテーマを越えて著者のメッセージ性が感じ取れた。

Posted byブクログ

2021/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋愛で頭が溶けてマズイことをしてしまう、いいじゃないですか、人間らしくて。 と言い切る著者。 恋愛をモラルで断罪することはないようだ。と書いているが、それでは未成年に対する恋愛はどうなのだろうか?歳の差はモラルが関係しないのだろうか? 不倫の噂をたてられたファーストレディが週刊紙を訴えたところ「現代の風紀では特にモラルに反するとは言えない。だから噂をたてられても名誉毀損ではない」らしい。 この辺りは面白かった。 だが、世界一不倫に大らかなフランスを例に「日本も」と言うのは行き過ぎだろう。

Posted byブクログ

2020/07/20

面白かった。 同じヨーロッパでもフランスは性の考え方が独特。イギリスや北欧とは全然違うのね。もちろんアメリカとも。フランスがいいとか日本がいいとかではなく、いろんな考え方があって面白い。

Posted byブクログ

2019/01/19

筆者の実際の経験と、 歴史、文化的な考察のブレンドが 絶妙。考えるヒント多数。 フランスの性教育、 プランニング・ファミリアルの存在、 中高の保健室にコンドームがさりげなく 置かれ、モーニングアフターピルも もらえる。 性的他者の感受性を想像する授業。 フランスでも女性の進...

筆者の実際の経験と、 歴史、文化的な考察のブレンドが 絶妙。考えるヒント多数。 フランスの性教育、 プランニング・ファミリアルの存在、 中高の保健室にコンドームがさりげなく 置かれ、モーニングアフターピルも もらえる。 性的他者の感受性を想像する授業。 フランスでも女性の進出は遅かった。 キリスト教の影響。 ガラントリーの存在、 ベーズマンのルール 2015フランス最高裁判決 不倫は特にモラルに反するとは言えないから、 噂を立てられても名誉毀損にならない キリスト教の禁欲とリベルタン。 シャトレ侯爵夫人とヴォルテール。 モンテスキュー ペルシア人の手紙 自分の妻を本気で愛したりするような男は、 取り柄のない、他の女性から愛されない人間で あって、自分に欠けている魅力を補うために夫という法的立場を濫用し、社会に損害を与える者だ。 性的同意 アメリカのスマホアプリ 「YES to sex」 キス、セックスなどの各ステップで 同意したことを録音 スウェーデン2018 性行為に関する同意法発効

Posted byブクログ

2019/01/04

期待せずに読んだが、意外と面白かった。フランス人と話しながら、??と思うことがいろいろあったのだが、その疑問が解決された感じ。性について、日本人とは全く違う意識なのだなあとしみじみ。

Posted byブクログ

2018/10/26

読了。日本よりはるかに、女の人が幸せに暮らせる国でも、男の性教育は、まだ道半ばなのがわかった。フランスがこれから伸びる国なのだろうなと思う。日本も遅くないので、フランスのような性教育をしていけば良いと思った。

Posted byブクログ