松竹と東宝 の商品レビュー
実に面白かった。劇場の売店の子の松次郎、竹次郎双子兄弟の松竹と理想家肌のエスタブリッシュメントだった小林一三の東宝が、いかに戦い、現在の状況に至ったのかが綴られている。最後、長谷川一夫が東宝に移り、東宝歌舞伎を確立したものの、歌舞伎座に凱旋したのは興味深い。彼は、後に宝塚歌劇団起...
実に面白かった。劇場の売店の子の松次郎、竹次郎双子兄弟の松竹と理想家肌のエスタブリッシュメントだった小林一三の東宝が、いかに戦い、現在の状況に至ったのかが綴られている。最後、長谷川一夫が東宝に移り、東宝歌舞伎を確立したものの、歌舞伎座に凱旋したのは興味深い。彼は、後に宝塚歌劇団起死回生の「ベルサイユのばら」の演出家も任されていて、両者に多大な影響を及ぼしている。
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本当に面白い。 時代がいつであろうと「ゼロからイチを生む」話は本当に面白い。 この手の物語はどんな話でも共通項があるのが不思議だ。 それは、今までの世界を壊して、新しいことを信念を持って生み出すこと。 興行の世界はもちろん歴史があるし、その中でうまく循環している権益があった。 そ...
本当に面白い。 時代がいつであろうと「ゼロからイチを生む」話は本当に面白い。 この手の物語はどんな話でも共通項があるのが不思議だ。 それは、今までの世界を壊して、新しいことを信念を持って生み出すこと。 興行の世界はもちろん歴史があるし、その中でうまく循環している権益があった。 それを松竹兄弟はバッタバッタとお客様目線でなぎ倒していく。 さらに東宝の小林一三はまったくの異業種出身。 銀行から鉄道業へ。それが宝塚を生み出すことになるとは、本当に人生何が起こるか分からない。 この2者に共通することは、ものすごくシンプルだ。 ・現存のシステムに疑問があり、変革することに大きな野望を持っている ・目の前の課題を一つづつ確実に解決している 大きな野望も一足飛びには決してたどり着かない。 一歩ずつ一歩ずつ近づいていく。 ここで大事なのは、目先のことだけに捕らわれてないことだ。 つまりは、大きな野望があるから、方向性を見誤らない。 やっていることにブレがないのだ。 これは本当に大事なことだと思う。 人はつい楽な道を歩きがちだ。 しかし、ゼロイチ思考の人には、そういう観点はない。 楽な道が大きな目標のゴールにたどり着かないと分かった時は、当然に歩かない。 そこに迷いがないことだ。 現代のエンタメの基礎を築いた偉人。 本当に素晴らしい。 (2019/6/1)
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宝塚は少しは知っていたけど、松竹の成り立ちについては全く知らなくて、初めて知ることばかりで大変興味深かった。東宝の演劇は私にとっては完全にミュージカルのイメージだけど、ミュージカルの歴史はまだそう長くはないんだな(そりゃ、歌舞伎に比べれば)。東宝の昔の興行がどんなだったのか、歌舞...
宝塚は少しは知っていたけど、松竹の成り立ちについては全く知らなくて、初めて知ることばかりで大変興味深かった。東宝の演劇は私にとっては完全にミュージカルのイメージだけど、ミュージカルの歴史はまだそう長くはないんだな(そりゃ、歌舞伎に比べれば)。東宝の昔の興行がどんなだったのか、歌舞伎がなぜ松竹のものになったのか。同じ時代に生きた松竹兄弟と小林一三の興行ビジネスのお話はとても面白かったです。
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興行界の3人のキーパーソンの歴史だが、のめり込んで読んでしまった。歌劇と歌舞伎と映画と。素敵な物を有難う!
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両社の成功をヒューマンストーリーで語る本。歌舞伎という舞台を興行として生まれ変わらせた斬新なアイデアの一端がよくわかる。社史と周辺資料を中心に丁寧に記述されている。
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発端 歌舞伎座開場 第1幕 京の芝居街の双子 第2幕 大阪の鉄道経営者 第3幕 宝塚と浅草の歌劇 第4幕 東京劇界の攻防 大詰 それぞれの戦後 著者:中川右介(1960-、東京都、評論家)
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なぜ松竹が歌舞伎俳優を抱えているのか、 それはそれは不思議でならなかったが、本書を読み、すっきりした。 ライバルとしての東宝との対比で描かれてゆくが、 どちらが主役というわけでもなく、丹念に少しづつ紐解くようにして、 時系列に整理されていることもまたわかりやすい。 松竹と東宝...
なぜ松竹が歌舞伎俳優を抱えているのか、 それはそれは不思議でならなかったが、本書を読み、すっきりした。 ライバルとしての東宝との対比で描かれてゆくが、 どちらが主役というわけでもなく、丹念に少しづつ紐解くようにして、 時系列に整理されていることもまたわかりやすい。 松竹と東宝に就職することを願っている学生は必読だと思う。
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歌舞伎と宝塚という二つのジャンルの興行の礎を作った白井松次郎・大谷竹次郎兄弟と小林一三の物語。ただし、映画についてはほとんど言及なし。そこが残念。
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