藤田嗣治作品集 の商品レビュー

清水敏男(著者)

2018/11/23

藤田嗣治。1920年代のパリで花開いた一大文化「エコール・ド・パリ」の中心にいた芸術家の作品です。

京都近代美術館で行われた展覧会で始めて作品に触れましたが、素晴らしい作品ばかりでした。
「得意は猫と女」がキャッチコピーですが、独自の技法による乳白色の下地に描かれた女性の美しさは数ある裸婦画の中でも群を抜いています。ただ、残念ながら印刷物からはその魅力が伝わりづらいのが難点です。

日本人なのに日本人にはほとんど知られていない画家。
しかしながらフランスでは最も著名な日本人であり、世代を経ても愛されているらしいです。
なぜ、そこまでの人物が日本では知られていないのか。
その理由はほかの書籍に詳しく書いてあり説明はしませんが、藤田嗣治の生涯の作品を解説とともに追っていくのに最適な一冊だと思います。