島原の乱 の商品レビュー

神田千里(著者)

2024/10/04

民衆を動かす宗教
立ち帰るキリシタン：
城下に押し寄せる一揆
終末預言の流布
天草地域での蜂起
宗教一揆の実像：
農民一家か宗教一揆か
キリシタン大名の宗教政策
蜂起への道程：
禁教令と島原・天草地域の信仰
飢饉と信仰：
殉教か立ち帰りか
キリシタンの葬礼
非常時にすがる神
キリシタンの奇蹟
島原・天草の信仰習俗
進んだヨーロッパ？
一揆と城方との抗争：
幕府軍の覇権
本渡の合戦と富岡城攻防
原城籠城：
籠城戦へ
原城の包囲
一揆と信仰とつながり：
信仰をめぐる民衆の対立
戦国大名と宗教

2023/01/27

【推薦者】
体育学部　体育学科教員 市川　純　

【学生へのメッセージ】
島原の乱を論じた本は幾つもあるが、手に取りやすく且つ学問的水準の高い一冊として本書を挙げる。島原の乱は教科書にも必ず登場する有名な事件だが、幕府に迫害されたキリシタンの決死の抵抗としてのみ記憶されているのならば、再考が必要。キリシタンによる蜂起には、実は暴力的な側面もあり、仏教徒の処刑や寺院の破壊、女性の拉致もあったらしい。といって、単にキリシタンを批判すればいいのではない。歴史の真相がいかに複雑で、安易な善悪二元論を打ち立てられないことを、この歴史学的考察を例に知ってほしいのだ。

▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00546601

2022/07/04

島原の乱でキリシタン達は結束し、原城を包囲する幕府軍に対して籠城戦を展開した。
島原の乱後、幕府はキリシタン禁教を強化した。この政策により日本は鎖国体制へと向かっていくことになる。

2020/03/15

2018年には原城（天草四郎たちが籠城した場所）も世界文化遺産に指定されるのではないかと期待して読了。
　島原と天草に土地勘が無くても（私は長崎県南島原市出身ですが）、地図が冒頭についているのでそこは親切。
　島原の乱が蜂起した理由が通説とは一致しないことを、多くの文献により立証しようとしており丁寧な仕事の本です。
　ただ島原の乱の初心者が読むには大変ですね。天草四郎がなぜ首魁に持ち上げられたのかという理由が全く触れられていないのは残念

2019/08/14

第１章　立ち帰るキリシタン
第２章　宗教一揆の実像
第３章　蜂起への道程
第４章　一揆と城方との抗争
第５章　原城籠城
第６章　一揆と信仰とのつながり

著者：神田千里(1949-、東京都、日本史)

2018/10/04

途中専門的過ぎてついていけない個所もあったが、「日本教」と「キリスト教」の性質に関わる記述の慧眼には感服した。