ナガサキの郵便配達 の商品レビュー
長崎で被爆した谷口稜曄(すみてる)について書かれている。 彼は郵便配達の途中に被爆し、甚大な被害を受けた。 彼の背中は皮がむけ赤くなり、一命は取り留めたものの、傷は生涯残り、その傷のため縁談も破談になるなど多くの苦労をした。 良き伴侶を得た後も、生まれてくる子供に異常が無いかと気...
長崎で被爆した谷口稜曄(すみてる)について書かれている。 彼は郵便配達の途中に被爆し、甚大な被害を受けた。 彼の背中は皮がむけ赤くなり、一命は取り留めたものの、傷は生涯残り、その傷のため縁談も破談になるなど多くの苦労をした。 良き伴侶を得た後も、生まれてくる子供に異常が無いかと気をもんだ。 そしてそれらの経験から、核兵器廃絶を目指し精力的に活動した。 市井の普通の人が原爆の犠牲になり、それまでの平穏な日々から地獄のような壮絶な日々を送ったということは絶対に忘れてはならない。 読んでいるだけで辛くなる内容もあるけれども、それらにしっかりと耳を傾け、過去にあった現実を知りることが、平和を維持するうえでとても大切だ。 素晴らしい本に出会えた。 本書の著者、ピーター・タウンゼント氏は、エリザベス女王の妹、マーガレット王女の元婚約者である。 離婚経験があることから、結婚は叶わなかった。 彼のことはネットフリックスの「ザ・クラウン」というイギリス王室を描いたドラマで知った。 彼が本を執筆していたことを知り、本書を手に取った。 タウンゼント氏が1945年に日本で起こったことを書いたものを、2021年に日本で読むことになんとなく不思議な気持ちになった。
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