殺人行おくのほそ道(上) の商品レビュー
才能豊かで儲かっているはずのブティックが何故か敬遠困難に…そして仲の良い叔父叔母夫婦が何故か別居するという日常的な謎から連続殺人に発展していくミステリー。 主人公が独身の若い美女で卒後働いていないという現代ならば貴族みたいな羨ましさであるが、時間がある故に苦悩し事件に深入りしてい...
才能豊かで儲かっているはずのブティックが何故か敬遠困難に…そして仲の良い叔父叔母夫婦が何故か別居するという日常的な謎から連続殺人に発展していくミステリー。 主人公が独身の若い美女で卒後働いていないという現代ならば貴族みたいな羨ましさであるが、時間がある故に苦悩し事件に深入りしていくことになる。失礼な言い方になるが未就業者にしては人の懐への入り方(人脈の広げ方)、嘘のつき方、人間観察力、そして執拗な調査ぶりは相当なモノである。才色兼備かつ善良な性格なので読者からの共感も高いと推察される。とはいえ核心に近づいた人達が怪死を遂げるところをみるに直接的でないにしても死神に思えなくもない。
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1964年に雑誌に連載された小説、タイトルを変えて、本書に。主人公の麻佐子は、銀座でブティックを経営する自慢の叔母・隆子に頼まれて、叔父・信雄と郷里に同行する。そこで先祖代々の山林が売却されていたことを、信雄とともに初めて知る。一方、隆子は、ブティックの顧客である女優の口利きで、...
1964年に雑誌に連載された小説、タイトルを変えて、本書に。主人公の麻佐子は、銀座でブティックを経営する自慢の叔母・隆子に頼まれて、叔父・信雄と郷里に同行する。そこで先祖代々の山林が売却されていたことを、信雄とともに初めて知る。一方、隆子は、ブティックの顧客である女優の口利きで、京都の金融業社・岸井老人から多額の借金を融通してもらう。上京してきていた岸井老人と会うことが叶った麻佐子、麻佐子の心配を岸井に話したもの、調査に乗り出した岸井の絞殺死体が、福島で発見される。かつて信雄と旅した芭蕉「奥の細道」ゆかりの地であった。
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