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親子のコミュニケーションが変われば、世界が変わる の商品レビュー

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2022/11/05

【イノベーションを促進するサーバント・リーダーシップは、「気持ちを伝える」信頼関係から創られる】 「コミュニケーション」というワードは、日本語に定着して久しく様々な場面でも使われていますが、これまでその意味するところを曖昧なまま使っていたことに気付かされました。本書ではコミュニ...

【イノベーションを促進するサーバント・リーダーシップは、「気持ちを伝える」信頼関係から創られる】 「コミュニケーション」というワードは、日本語に定着して久しく様々な場面でも使われていますが、これまでその意味するところを曖昧なまま使っていたことに気付かされました。本書ではコミュニケーションを「気持ちを伝え合うこと」「相手の気持ちを受け止め、自分の気持ちを伝える」と定義しています。 信用は過去に対して、信頼は未来に対してするものといいます。コミュニケーション、人と人との信頼関係とは「相手が自分の気持ちを受け止めてくれる」と互いに信じ合えることで成立するのだと本書を通じて考え至りました。 「感情を抑えることが美徳」という文化が背景にあり、日本人は自己主張が苦手。そのまま大人になってしまった人たちが大半の社会であるからこそ、コミュニケーションの本質を理解して、気持ちを相手に伝えることでこそ、社会はもっと円滑になっていくでしょう。日常的に何気なく感情を伝えられるようになれば、不満を溜めてから爆発するなんてことはなくなるはず。 本書は親子のコミュニケーションについて記述されていますが、それに限らず、広く応用の効く学びがありました。例えば上司と部下。部下から上司へする信頼とは、仕事ぶり、成果、プロジェクトやタスクのマネジメント能力などももちろんあるとは思いますが、一義的におくべきなのは「自分の気持ちを受け止めてくれるのか」ということ。それによって部下は自己主張ができるようになります。「互いに気持ちを受け止めあえる」という信頼関係を構築することこそこそが、つまりは「心理的安全性」が成立した状態になるのです。 変化の激しい時代に、変化の波に乗っていくこと、先んじて変化の波を起こしていくことを志すならばこそ、多様性のあるチームの編成が重要です。多様な価値観で多様な未来として複数の選択肢を持つことがイノベーションには求められます。未来の不確実性が高い現代だからこそ、多様性のあるチームとは多様な価値観や考えのもと、ありのままに忖度せずに自己主張できることが重要です。 「気持ちを伝える」人を創るために、イノベーションを起こすチームを創るために、サーバント・リーダーシップの教科書として一読をオススメする名著でした。

Posted byブクログ