オブジェクタム の商品レビュー
太陽の側の島、がお気に入りかな。 嫌いじゃないけど、もう少し謎に手が届く方が、自分としては好み。でも、不思議と読み進めたくなる。一気読みしてしまったのは確か。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ファンタジーというよりは、「少し不思議な」物語って感じがしました(辻村深月さんのアレみたいですね・・・笑) 。 これは褒め言葉なのですが、表題作含めどの物語も読んだ後に「もやっ」とした何かが少し残って、思い返してみても「結局どんな話だったんだろう」となりました。 自分はその、すこし「ぼうっとする」ような読後感がすごく好きです。 個人的には、表題作ももちろん面白かったのですが、二作目が一番好きでした。 気になってる方には、是非とも読んでいただきたいです。
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三つの中短篇が収録されている中で、個人的には、表題作の「オブジェクタム」が秀逸だった。この作品オンリーなら星5にしたかったくらい。 ノスタルジックで、どこにでもありそうな平凡な町で起こる、奇妙で面白くて、ちょっと怖いエピソードの数々には、固定観念という言葉は存在しないかのように...
三つの中短篇が収録されている中で、個人的には、表題作の「オブジェクタム」が秀逸だった。この作品オンリーなら星5にしたかったくらい。 ノスタルジックで、どこにでもありそうな平凡な町で起こる、奇妙で面白くて、ちょっと怖いエピソードの数々には、固定観念という言葉は存在しないかのように思えてくる。 アパートの、ゴミの溢れた部屋の子供たちが苦しんでいることを、想像できるだろうか。 そこに住む姉妹の姉、「ユメ」はピエロのような見た目でも、周りの大人たちよりもしっかりしていることは? おじいさんが川原で石を拾い集めている姿を見て、何を想像する? 子供の頃に、自分のよく見知っている町なかで、突然知らない場所に迷い込んだときの、何ともいえない恐怖感は? 何のたわいもない、大したことのないものでも、集まれば、すごいことになるかもしれない。 遊園地は来たのか、来なかったのか。 見たことない千円札。 本当は自分の生きている世界にも確かなことって、何も無いのかも・・なんて想像すると、空恐ろしくなってきた。 ところで、上記の姉妹の妹の名前は「ハナ」。 それを見て私は、なんとなくチャットモンチーの代名詞にあたる曲、「ハナノユメ」を思い出した。 イメージ的に、あながち近からずも遠からずだと思いましたが、いかがでしょう?
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読了。これはよかった。 ほんとのこと、は その人のなかにあるのだな。 SFでも幻想小説でもあるような でも多分違う。
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不思議な味わいの小説。 平坦な文章で、なにか大事件が起こるわけではないけれど、描かれている一つ一つの出来事にとてもたくさんの意味が込められているように感じられる。 「このあと何が起こるのだろう」と、どんどん読み進めたくなる。 人生の中で起こる少し不思議なことが、人の気持ちに影...
不思議な味わいの小説。 平坦な文章で、なにか大事件が起こるわけではないけれど、描かれている一つ一つの出来事にとてもたくさんの意味が込められているように感じられる。 「このあと何が起こるのだろう」と、どんどん読み進めたくなる。 人生の中で起こる少し不思議なことが、人の気持ちに影響していく話。
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『カムギャザー‥』も良かったけど、こちらはもっと好きな作品だった。 表題作の、一見バラバラの細かい仕掛けが最後に近づくにつれて繋がって行くのは『カムギャザー‥‥』もそうだったんだけど、とても上手くて面白い。今回は(と言っても、実際に書かれたのはこちらが前なのだが、私が読んだのは逆...
『カムギャザー‥』も良かったけど、こちらはもっと好きな作品だった。 表題作の、一見バラバラの細かい仕掛けが最後に近づくにつれて繋がって行くのは『カムギャザー‥‥』もそうだったんだけど、とても上手くて面白い。今回は(と言っても、実際に書かれたのはこちらが前なのだが、私が読んだのは逆だった)ホリスコード、壁新聞、移動遊園地、偽札、祖父と孫の秘密などの一つ一つに惹かれるものがあって、ちょっとノスタルジックな味わいもなんともいい感じ。しかし、甘ったるくはなく、虐待を受けている姉妹の苦しさや、祖父の裏の顔など、刃を突きつけるようなところもある。読んでいて、映像が焼き付く。ススキの中のテント。シュヴァルの宮殿のようなオブジェクタム。ピンクの幼稚園バス。ハナのゴミ屋敷。 2番目の「太陽の側の島」がまた良かった。諸星大二郎の漫画で読んでみたい。戦争で南洋の島にいる夫と、故国で障害のある子どもと暮らす妻の往復書簡になっている。初めは第二次世界大戦中の話かな、と思いながら読んでいたが、そういう具体的な歴史上の話じゃないんだというところがだんだんわかってくる。三作目の「L.H.O.O.Q」にもヘンな生きものが出てくるが、これに出てくるヘンな生きものは、より生と死のあわいに生きている異形の生きものなのだが、どこか愛らしい、あるいはすっとぼけた味わいがある。特に妻が拾ってくる「兄ぃや」は「うどん、キツネつきの」の生きものみたいに不気味だけど可愛い。 私たちが暮らすここは、本当にここなのか?生きているのと死んでいるのとどれだけ違うのか?そんな気持ちが湧いてきて消えない。 高山羽根子という作家が好きになってしまった。
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中編1作と短編2作を収録している。どれも不思議な話で、不思議なまま終わる。気持ちが温かくなったり、優しくなったり、思慮深かったりして、私は好き。 「オブジェクタム」静吉じいちゃんと秘密の壁新聞。「太陽の側の島」書簡のやりとりに滲む優しさ。「L.H.O.O.Q.」犬を探す。
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「うどん キツネつきの」以来、2冊目となる高山羽根子作品。 いつの間にか芥川賞候補になるまでの作家になっていたなんて、全然知らなかった。 「うどん キツネつきの」は満点じゃないにしても、それなりに面白く読めた記憶がある。 本作「オブジェクタム」も感想は似たり寄ったり。 中編1編...
「うどん キツネつきの」以来、2冊目となる高山羽根子作品。 いつの間にか芥川賞候補になるまでの作家になっていたなんて、全然知らなかった。 「うどん キツネつきの」は満点じゃないにしても、それなりに面白く読めた記憶がある。 本作「オブジェクタム」も感想は似たり寄ったり。 中編1編と短編2編からなる作品集で、どれもサラリと読めてしまう。 「オブジェクタム」は幼い頃の記憶を頼りに、当時感じていた違和や謎を解明しようとする、といったようなお話。 日常の中に、ほんの少しだけ異物が混ざってくるのだけれど、そんな異物もやはり日常の範疇に含まれており、立ち止まるでもなく、追いかけるでもなく、自然に目の前を通り過ぎていく、って感じだろうか。 違和の原因や謎は結局は解き明かされることはないのだけれど、逆にこれらが解決してしまったら、きっと作品としてはとんでもなく白けた内容になっていただろうなぁ、と思わせてくれる。 つかみどころがないんだけれど、それが魅力にもなっている、ってところだろうか。 「太陽の側の島」が僕としては一番面白かった。 戦地に赴いた夫と、祖国に残った妻との書簡のやりとりのみで構成されている作品。 ここでも不可思議な出来事が日常的なものとして扱われている。 戦地も母国も、一つの大きな空の下で結ばれているのだが、その結ばれ方が……。 上下逆さまに空を飛んでいく飛行機の謎に触れた箇所には、思わずゾっとしてしまった。 「L.H.O.O.Q.」は正直、僕にはよく判らなかった。 他界した妻が飼っていた犬が行方不明になり、それを探しているうちに……といった内容。 何か大切なものが含まれているように思えるのだけれど、読解力を著しく欠いている僕の頭では見つけられなかった(汗)。
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「うどん きつねつきの」が気になっていたのですが話題になっていたのでこちらを先に読了。 中編と短編を2つ。 とても不思議な世界観。
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不思議な世界を見せてくれるトワイライトゾーン的な短編集。表題作の「オブジェクタム」は、お祖父さんの秘密基地的なカベ新聞制作兼印刷所の話。こんな場所があると楽しいだろうなと思わせてくれる。「太陽の側の島」は戦時中の夫婦の手紙のやり取りがそのまま作品になっている。でも、真相は恐ろしい...
不思議な世界を見せてくれるトワイライトゾーン的な短編集。表題作の「オブジェクタム」は、お祖父さんの秘密基地的なカベ新聞制作兼印刷所の話。こんな場所があると楽しいだろうなと思わせてくれる。「太陽の側の島」は戦時中の夫婦の手紙のやり取りがそのまま作品になっている。でも、真相は恐ろしいものだった。「L.O.O.Q.」は、妻に先立たれ、飼犬に逃げられた男が犬を探そうとする話。こちらはさらに奇妙な世界に連れて行かれる。トワイライトゾーン的な作品だ。
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