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つながりから考える薬物依存症 の商品レビュー

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2020/08/17

自立を促すには依存先を増やすこと。友達、職場、地域のコミュニティなど、つながりを複数持つことで依存から抜け出せる可能性が高くなる。 依存性の真の原因は、「薬物」「飲酒」といった個別の問題ではなく、「つながり不足」なのだ。 薬物は、「一回でも薬物を使うと報酬系に刻印付けされてしま...

自立を促すには依存先を増やすこと。友達、職場、地域のコミュニティなど、つながりを複数持つことで依存から抜け出せる可能性が高くなる。 依存性の真の原因は、「薬物」「飲酒」といった個別の問題ではなく、「つながり不足」なのだ。 薬物は、「一回でも薬物を使うと報酬系に刻印付けされてしまう。絶対にその一回はしてはならない」と信じられている。しかし、実際には一回でハマる人ハマらない人がいる。 これは、薬物依存性になるかならないかは、薬物がもたらす快感ではなく、薬物を使う個体が抱えている苦痛の程度によって変わる可能性を示唆している。つまり、孤独で、自由が制限された個体が依存性になるということである。 依存性における「自己治療仮説」 →「依存性の本質は、脳内報酬系を介した快楽の追求ではなく、苦痛の緩和にある」 薬物依存性とは、決して薬物という「物」によってひとがおかしくさせられる事態ではなく、痛みや生きづらさを抱えた「人」が、本当はもっといろんな人に助けを求め、相談し、依存するべきところを、なかなか人を信頼することができないために、薬物という、「物」だけに依存する現象。 我が国の薬物乱用は、覚醒剤から睡眠薬、抗不安薬へと、「捕まりにくい薬物」にシフトしている。 危険ドラッグは、皮肉にも、規制を繰り返すことによってますます「危険な薬物」に変わっていった。 公衆衛生、健康づくりの分野では、「課題につながる根本原因・リスクは何?」を考えることが大事になる。 例えば、解決したい課題が「自殺」だとして、その自殺の原因は鬱病、生活苦、いじめ、家族の不和と色々あるが、その課題と原因の間にある根本的なリスクへのアプローチが大切になる。 「生きづらさとは、正解を押し付けられ続けた結果、居場所が見つからないこと、依存先を増やせないこと。」

Posted byブクログ