現象学入門 の商品レビュー

ステファン・コイファー(著者),アントニー・チェメロ(著者),田中彰吾(訳者),宮原克典(訳者)

2020/05/20

カントからフッサール・ハイデガー・メルロ＝ポンティとともにゲシュタルト心理学，ギブソン，ドレイファスらの流れも取り上げ，身体性認知科学のいくつかのグループの中に現象学の流れが受け継がれているとする本．

現象学はギャラガーの『現象学的な心』等を通して意識の脳科学などともつながっているし，「ハイデガー的人工知能」とされるブルックス，創発主義，オートポイエーシス，認知ロボティクス等を通じて人工知能研究ともつながっている．

現在のディープラーニングは明確に表象主義とは言えないが，コフカがヴントを批判した「恒常仮説」的なものはみられるので，「ハイデガー的人工知能」的なアプローチが入り込む余地というはまだまだあるのかなと思った．